#1 夏の動物 (森 綾乃さん)
短いまとまりごとに空行を挟む書き方はあまり好きではないのですが、この作品ではきちんと場面が転換されていて効果的だと思いました。ただ、個別の文章をみていくと少し描写がくどく感じられて、もっと淡々とテンポよく書いてくれた方が私の好みだったかな、と思うのですが、他の方の評価が気になる作品です。
#2 世界一短い推理小説(千字ver)(Et.wasさん)
千字もあったら長いじゃん、と思いながら読み始めて、自分の浅はかさに死にたくなった。私のイニシャルがT.Nだったら大変なことになるところだったかもしれない。
どうせ強引にやるなら、フックとしてもっと飛躍するポイントがあってもよかったのではないでしょうか。
#3 淑女渇望 (柊葉一さん)
最初の段落がとても情報量が多くて、この調子でずっと登場人物が増えていったらおもしろいなあ、なんて思ったのですが、その後は落ち着いた展開でした。
『そう言って彼は私の腰に手を回して、私を抱きしめた。』のように、すぐ近くで『私』という同じ代名詞を二度使うと、ややぎこちなく感じられると思います。
#4 追い風 (ハコさん)
後半で台詞と地の文がこんがらがってきてよくわからなくなりましたが、一人称で精神状態に異変が生じるとそれもやむを得ないのかもしれません。オチがよくあるところに行き着いてしまっているのがもったいないと思いました。
#5 ナレーション (Kさん)
結局のところ文章になっているのであまりこだわらなくてもいいのかもしれませんけども、『硬質な壁面』だけ話し言葉としては随分固いというかレアなんじゃないかと思いました。
古い翻訳を読んでいるようでおもしろかったです。
#6 求ム、 (翻車魚さん)
説明書の巻末はFAQというよりトラブルシューティングじゃありませんでしたっけ? というのはまあどうでもいいんですが、まあ、そうですよねえ、そういうことってありますよねえ、と思います。でも、あまり深く考えない方がいいと思います、はい。
#7 たけしの観照(3+9=?) (宇加谷 研一郎さん)
あまり人の顔をじっと見つめるのは抵抗があるだろうから、ネクタイのあたりを見てしゃべったらいいですよ、それでも相手は自分の顔を見てるんだなあと思いますから……というようなことが就活とか面接のマニュアル本によく書いてあるんですが、唇を見つめると、見られた方はどう思うのかな、と、気になりました。
#8 舌鼓 (bear's Sonさん)
乗馬クラブ事情には興味があるので、そっちをもっと詳しく書いてくれると嬉しかったかもしれません。
不謹慎な連想だとは思うのですが、先日ふと馬肉が少量ながら安定供給されているのがなんだか不思議な気がしたんですが、あれってどこでとってるんでしょうねえ。
#9 ひつじ雲 (白縫さん)
『そして女と、この愛娘のあたしを置いて歩いていってしまう。』だと、読点があるとはいえ二人とも置き去りにされたようにも読めてしまうので、「この愛娘のあたしを置いて、女と歩いていってしまう。」など、順序を変えた方がよかったのではないかと思います。
子供にしては難しい言葉を使いすぎるような気がしないでもないですが、妄想の内容を鑑みるとそれほどでもないように思えるので、しょっぱなのアイスというアイテムがこの子を幼く見せすぎているのかもしれないですね。
#10 Corruption of the best becomes the worst (崎村さん)
『冷たいミネラルウォーターが透明に喉を潤す。』の『透明に』だけが全体の中で浮いている不自然な描写になっていると思います。
キスをせがんだりキスをしたり、毒を盛られた男が倒れて死んだり、というのはうまくやろうとするととても書きづらいだろうなあと思います。そういう難しそうなシーンが続いたので書き手の苦労ばかり気にかかってしまいました。
#11 小あじの南蛮漬け (長月夕子さん)
南蛮漬けがどれほど南蛮なのか以前から気になっているのですがそれはさておいて、私も胡麻和えは嫌いです。
揚げ足取りのようなレベルの話かもしれませんが、だるま落としは引いてはいないと思います。なんというか、叩き出すとか押し出すとか打ち出すとか、どーんとかばーんとかすこーんとかぐわらぐわがきーんとか……やっぱりいいですごめんなさい。
字数の都合もありますが、後半がちょっと急ぎ足に感じられました。
個人的には最後の一文はなかった方がよかったかな、と思います。これは他の方の意見を聞いてみたいところですが。
#12 らくだと全ての夢の果て (新井さん)
↓リンク先ややグロ注意
http://www.youtube.com/watch?v=X-YsSINT75c
いい話のあとでこうなるのかと思うと泣けてくる!
読んでいる途中からこの動画のことを思い出してました。ごめんなさい。
#13 アイ ウォント ユー (田中彼方さん)
中高生の女子が尾行、文書偽装、近接戦闘のスキルを持ち、肝が座っているとなれば、ビューティーコロシアム的なプロセスを経て立派なエージェントになれるはずなので、そんな男のことは忘れちゃいなよ。と思いました。あと、もっと高いところから飛ばないと……。
#14 擬装☆少女 千字一時物語24 (黒田皐月)
学校を出てからの方が女装をやりやすい環境になるんだろうと思うので、そうもいかない事情に関する描写があるとよかったのではないでしょうか。
ところで、この作品内では二人が同性であることはわかりますが、男性だと明記されているわけではないので、女でも構わないわけで、強引な読み方をすれば、世間の目を気にしていやいやガーリッシュな格好をするのはもうやめるぜ、と読めなくもないので、書くことと書かないことの選別について深く考えさせられました。
#15 右手と左手の会話(ソナタ形式) (ロチェスターさん)
よくわからなかったのですが、『●』がぽつんと置いてあるとなんだか寂しいなあと思いました。
#16 糞の礼 (qbcさん)
『一〇〇〇〇人』『五八歳』と書くなら、『十八時十分』ではなく、「一八時一〇分」とするべきではないでしょうか。個人的には、「一万人」「五十八歳」の方がしっくりきますけれども。
最近、ノンフィクションっぽい文章がはてな匿名ダイアリーに見えて困っています。
#17 海退 (川野佑己さん)
ヒッチハイカーが乗り込む席を助手席って呼ぶのはなんかおもしろいな、と思いました。
私は出不精なので、砂埃ってどんなんだったっけなあ、なんて思うのですが、地下鉄の車内で鼻がむずむずする話なら書けそうな気がするので、どんな生活をしていても人それぞれ書ける題材を見つけられるものなのだと、最近とみに怠惰な自分に言い聞かせてみました。
#18 仮面少女 (壱倉柊さん)
タイトルの意図がいま一つわかりませんでした。
ヘンテコな名前を名乗る人たちの気持ちというのは、私にはさっぱりわかりませんね!
#19 車内の吐息 (櫻 愛美さん)
ウチのあたりでは、『お足元にご注意下さい』よりも「お荷物お身体お引きください」とか言ってることが多いような気がしますけど、路線によって違うのかな?
『小声の彼女は、電車の騒音でかき消された。』だとイリュージョンになってしまいますので、「彼女の小声は」とかにしたらよいのではないでしょうか。
痴漢の裁判をする映画を(テレビで)(無料で)見たばかりなので、あんちゃんが無事でなによりでした。
#20 顔 (三浦さん)
最後のあたりを読んでいて、好きな小説の、やはりラストのシーンを思い出しました。
#21 オレンジ (fengshuangさん)
ある日、自分の持ち物が、白・黒・グレーばかりと気付いて以来、デーハーな色のものにも挑戦するようにしているので、なんか身につまされる話でした。
こういうストレートなタイトルは好きです。
#22 常連のお客様 (わらがや たかひろさん)
『サラサラした感触』か……。そういわれてみるとそうかもしれないですね。
私も随分昔に店に居座る猫の話を投稿したのですが、どんなんだったかあまり覚えてません。そういう店に入り浸ってみたいものです。
#23 祖母の入院 (わたなべ かおるさん)
うーん、段落変えすぎじゃないですか?
構成とか文字数の配分とかはすごく上手いと思います。過去の作品をいくつか改めて拝見させていただきましたが、同様の印象を受けました。
読んだ感想が、あるある、とか、( ;∀;)イイハナシダナー、とかになってしまうので、自分ではこの手の話はなかなか度胸がなくて書けないのですが、ああ、でも短編に最初に投稿したのはそれっぽい話だったな……とおそるおそる読み返してみたところ、( ;∀;)ヘタクソダナーと思いました。
#24 さあ、みんなで! (ハンニャさん)
般若といえばSir 北京小雪というこの時期に、なぜあえてこのペンネームなのかという疑問はどうでもいいので置いておいて、なぜ猿飛佐助なのか、というところが……やっぱりどうでもいい。
#25 シルク (るるるぶ☆どっぐちゃんさん)
落っこちているのは左の耳ではないのでしょうか。