はじめまして。少し確認させてもらいますね。
まず、
〉うまいと言われる
という部分ですが、実際のところ賛否両論のようです。
次に、
〉硬い感じがしていつもならない。
ということですが、前期までの僕の話には当てはまらないようですよ。まあ個人の感性次第ですが。
〉漢字というもので世界をとらえ過ぎていて
漢字について、たとえば「携帯電話」と「箒」は字数は違えど意味は一つでしかなくて、この場合「携帯電話」のほうがより平仮名に近いといえますよね。今期は「箒」のような使い方が多かったために「漢字で世界をとらえ過ぎている」と感じたのでしょう。
ところで僕が千字の話を書くときはだいたい布団の中で、枕元に置いた書き損じのコピー用紙にボールペンで書きつけているんですが、「ほうき」の他に「さえずり」「おびただしい」「まだら」なども、そのまんま平仮名で書いていたりします。
最後、整えるときに雰囲気とかバランスとか目的などとすり合わせた結果、漢字に直しただけです。違う話であればこれらが平仮名になることもあるでしょうね。
気になったので一応調べてみたんですが、「輪」における漢字の割合は36%で単純に考えて約360字でした。参考までにエム✝ありすさんの投票された作品は、
『綺羅』:38%、海辺の六助:37%、ふとん幻想:34%
以上のことから、
〉おもくるしいなあ。硬い感じがしてならない。 "「箒」のような使い方をされた漢字が多くて読みにくい。" ただ、簡潔なところはうまいなあ。あと、イメージの連携はそつなく上手だと思います。
という形になりますが、この形はエム✝ありすさんにとって問題ありませんか?
問題なければこれでいただきます。
もう一度読み返してみました。
確かに漢字がおもくるしさを出しているよりも、別の原因があるように思います。申し訳ない。
なので、下記で構いません。
〉〉おもくるしいなあ。硬い感じがしてならない。 "「箒」のような使い方をされた漢字が多くて読みにくい。" ただ、簡潔なところはうまいなあ。あと、イメージの連携はそつなく上手だと思います。
〉 という形になりますが、この形はエム✝ありすさんにとって問題ありませんか?
〉
〉 問題なければこれでいただきます。
ただおもくるしい原因はなにか、ということについては解決されておらず、それでなんでこんなおもくるしいのかと考えたのですが、それはつまり、作品そのものの文章がかもしだしている重苦しさなんだろうと思い、たとえばそれは、主語+述語の単文が少なく、複文、ないし単文だとしても修飾部が多い文体だからなのだろうな、と思いました。あと二字熟語。
漢字使用率だけでは、漢字が多い少ないってのは分からないだろう、と思います。多い少ないと書くのか、おおいすくないというのか、多少と書くのか、多寡と書くのか、そういったワードの選び取り自体に、読みにくさが沈殿しているのかなって思いました。
読ませる糸口がすくないっていうのが思うところかもしれません。小説世界が一戸建てみたいなものだとしたら、玄関から厳重な警備に守られて堅牢で、はいりづらい。
わざわざ再読させてしまって、こちらこそ申し訳なく思います。
ところで、エム✝ありすさんの感じた重苦しさや読みにくさについては貴重な意見としてありがたくいただきますが、はいりづらいというのはいただけませんな。
今期の「輪」を簡単に説明すると、
「後輩に女を寝取られて部屋で悶々とする男」をありありと、かつ面白おかしく書いてみた。
という話ですので、そんなに警戒しないでください。実は馬鹿なことばかり書いたんですよ。
それではあらためて、感想どうもありがとうございました。
〉 わざわざ再読させてしまって、こちらこそ申し訳なく思います。
でもはいりづらかったんですもの。再読したらおもしろいなーって思って、なんか反省しました、自分の初見嫌いみたいなのを。
〉 ところで、エム✝ありすさんの感じた重苦しさや読みにくさについては貴重な意見としてありがたくいただきますが、はいりづらいというのはいただけませんな。
〉 今期の「輪」を簡単に説明すると、
あー、と思いました、気付かなかった。面白く書いてみた、というのであれば、そこは文を読み下すのに追われて、話の筋を追えなかったのがそれが私の読み方だったのかな、と思いました。
〉「後輩に女を寝取られて部屋で悶々とする男」をありありと、かつ面白おかしく書いてみた。
〉 という話ですので、そんなに警戒しないでください。実は馬鹿なことばかり書いたんですよ。
私的な日常生活とそこに心情を絡ませているという構成なのに、「囀り 玉座 箒 金槌」など、あまり日常に用いない単語や漢字を使っているところに、とっつきにくさを感じることがあるかもしれないと私は考えました。日常からこの漢字や単語に、少し飛躍があるかもしれません。
http://tanpen.jp/11/17.html
↑普段あまり使わない単語や漢字が、効果的に使われている作品だと思います。
>エム✝ありすさん
いえいえ、はいりづらくていただけないのは僕の都合ですよ。掴み逃してしまった方をもう一度掴む、ということを今後の課題に加えます。
文中でいろいろ言葉を重ねてはいますが、頭に描かれるイメージの最終的な部分は読み手に丸投げしましたので、それも読みにくさ・わかりにくさなのかもしれません。
筋なんて無きに等しいのでほとんど説明しなかったのですが、それも読みにくさに繋がったのでしょうね。
>長月さん
はじめまして。
比較対象に地下鉄を持ってきてもらえるなんて。これは嬉しいです。
〉 文中でいろいろ言葉を重ねてはいますが、頭に描かれるイメージの最終的な部分は読み手に丸投げしましたので、それも読みにくさ・わかりにくさなのかもしれません。
〉 筋なんて無きに等しいのでほとんど説明しなかったのですが、それも読みにくさに繋がったのでしょうね。
私はそんな風に思わないですけどね、別にすじがあろーが丸投げされよーが構わない。
やっぱり、長月さんの「囀り 玉座 箒 金槌」とか、修飾語の多さなんじゃないのかなあと思いました私は。
読みやすさやわかりやすさと、書きたいことの両立は難しいですね。
ただ、やりたかったことにまだ至れていないので、もう少し追求します。
でも僕の場合、わかりやすさや読みやすさは必ずしも評価に直結していないという、微妙な経験がありまして。
これからも頑張りますが、読みにくかったら申し訳ないので、せめて損はさせない程度の面白さを入れていきたいなと。
とはいえ所詮、僕が面白いと思っているだけなので、意味がわからない部分も多いとは思いますが。
ところで、今後のためにも是非聞かせて欲しいことがあって、「輪」のなかで意味のわからない部分てありました?
今期はさすがに詰めすぎたと思うので、ちょっと線を引いておきたいんですよ。
〉 でも僕の場合、わかりやすさや読みやすさは必ずしも評価に直結していないという、微妙な経験がありまして。
〉 これからも頑張りますが、読みにくかったら申し訳ないので、せめて損はさせない程度の面白さを入れていきたいなと。
〉 とはいえ所詮、僕が面白いと思っているだけなので、意味がわからない部分も多いとは思いますが。
「わかりやすさや読みやすさ」って言うんじゃなくて、正確に言うと、読みたくないっていうのが近いかもしれないです。なんかちんたらしてるんですよ、冒頭から。
「けたたましい鳥の囀りに呼び起こされ、眠気覚めやらぬままカーテンを開け放って見上げた空は群青色だった。」
要するに「空は群青色だった」ですよ。それに、私が起こされ、カーテン開けて、見上げた、っていうアクションがくっついている。これが、読みたくないて思わせるところなんだろうなと思います。
〉 ところで、今後のためにも是非聞かせて欲しいことがあって、「輪」のなかで意味のわからない部分てありました?
〉 今期はさすがに詰めすぎたと思うので、ちょっと線を引いておきたいんですよ。
主語どれだっけ、というのはよくありました。それからシーンの移動が改行なしに行われるので、どの場面の話しなのか混乱します。ただ、行きつ戻りつすれば文意は分かりました。
意味わかんない、てのはなかったんですが、例えばどういうところで意味わからなくなるだろうな、て想定されたのですか?
要は膨らますにしても、もうちょっと上手くやれよってことですよね。手厳しいなー。
冒頭に関してシンプルにすると、
「午前五時。ようやく寝ついたところで、騒ぐ鳩に起こされた。携帯電話には真由からの着信はなく、失意の中で見上げた空には、ありもしないもやがかかって見えた。」
という感じになるのかな。
でもこれだと、感情の乖離というか、苛立ちつつも冷静であろうとする男の心理がいまいち描けていないように思うんですよ。
一律してこういう取捨をおこなっていて、先達に挑戦していますので手は抜けなかったというのが言い分です。
意味わからんという指摘について、
・黄昏時の朝もや(朝もやは日が出てから立ち上りませんか?)
・卵の文様(そんな卵を見たことがありません)
・「鳩+卵」と「狸−生皮」からの「天秤」という流れ(あくまで僕個人の感覚です)
飲めないのはおそらくこのあたりかなと。
意味わからん場合って、読み手の解釈に委ねる形になるんですが、話の方向性をがっちり決めてあるので、「男の目にはそう映った」と捉えてもらえるだろう、という期待をしてました。
でも、これらは、興味を持ってくれた方が再読したときにちょっと楽しくなってくれればいいな、というものです、と添えておきます。
意味なんておいといて、卑屈で攻撃的なのって楽しいよねっていう話なので。
〉 冒頭に関してシンプルにすると、
〉「午前五時。ようやく寝ついたところで、騒ぐ鳩に起こされた。携帯電話には真由からの着信はなく、失意の中で見上げた空には、ありもしないもやがかかって見えた。」
〉 という感じになるのかな。
〉 でもこれだと、感情の乖離というか、苛立ちつつも冷静であろうとする男の心理がいまいち描けていないように思うんですよ。
〉 一律してこういう取捨をおこなっていて、先達に挑戦していますので手は抜けなかったというのが言い分です。
うーん、私だったらこの話の内容だったら、冒頭はこう書きますね。
「鳥の鳴き声に起こされる格好になった。後輩の男とセックスしている女からは連絡がなかった。私はその女が好きだった。いらついた。いらついていると、いらついていること自体が彼氏彼女らに負けたことになるんじゃないかという不安におそわれた。つとめて冷静になろうとした。しかしやっぱりいらついた。腹いせに動物を虐待してやることにした。朝だった。」
なんか書いていて思ったんですけど、書く側の生理としても、高橋さんと私の感覚は違うんだなあと思いました。たとえば「眠気覚めやらぬまま」なんて情報は、地の文で説明してやったほうが早いと思うところとか。
〉 意味わからんという指摘について、
気にしてなかったです。
〉・卵の文様(そんな卵を見たことがありません)
〉・「鳩+卵」と「狸−生皮」からの「天秤」という流れ(あくまで僕個人の感覚です)
「鳩+卵」は、輪ってタイトルと関係してるのかな。狸である必然性は感じなかったですけど、深く考えていませんでした。天秤は、自分の中のバランスをとっているのかなあと。
気持ちいいくらいまっすぐですね。ちょっと真似できないな。
これでは輪は相当読みにくかったでしょうね。
前期今期と良い評価をもらえたので、来期は両方のいいとこ取りしようかと思っていたんですが、きっと短文でわからせるような書き方にはならないので、それだとありすさんからの票は期待できないんですよねー。どう考えてもふとんや綺羅の方向にはならなそうだし。
ところで来期も読まれます?
〉 前期今期と良い評価をもらえたので、来期は両方のいいとこ取りしようかと思っていたんですが、きっと短文でわからせるような書き方にはならないので、それだとありすさんからの票は期待できないんですよねー。どう考えてもふとんや綺羅の方向にはならなそうだし。
単純に文が短いかどうかって問題ではなくて、修飾部の無用な長たらしさが問題だと思います。
〉 ところで来期も読まれます?
読むと思いますよ。
それから三浦さんが書き換えやってましたよ。
ついったのidがmiuraaruimの人です。
〉単純に文が短いかどうかって問題ではなくて、修飾部の無用な長たらしさが問題だと思います。
問題かどうかはさておき、言いたいことはわかってますから大丈夫ですよ。
〉それから三浦さんが書き換えやってましたよ。
〉ついったのidがmiuraaruimの人です。
読ませていただきました。
ありすさんはいかがでした?
〉〉それから三浦さんが書き換えやってましたよ。
〉〉ついったのidがmiuraaruimの人です。
〉
〉 読ませていただきました。
〉 ありすさんはいかがでした?
うーん。「こなした」な、って感じがしました。「用件をこなした」って感じが。
ただ、スピード感は三浦さんのほうが良かった。
お邪魔いたします。
〉〉〉それから三浦さんが書き換えやってましたよ。
〉〉〉ついったのidがmiuraaruimの人です。
〉〉
〉〉 読ませていただきました。
〉〉 ありすさんはいかがでした?
〉
〉うーん。「こなした」な、って感じがしました。「用件をこなした」って感じが。
〉ただ、スピード感は三浦さんのほうが良かった。
というやりとりに出て来たやつです↓
「輪」
死んだと焦ったはずが寝汗まみれの不快感に打ち消されてしまう。ひどい夢だったのは確かなんだが。羽ばたきのしなるような音にぞっとしてカーテンを開け放つと、空色以上に青色な朝靄に複数の鳥が闊歩している。ぎゃーすぎゃーす煩いのに腹を立ててベランダへ乗り出すと、野良仕事に繰り出す老婆が砂利砂利いう音を立てて歩いていくのを見た。ぎゃーすぎゃーすがベランダの端に避難したのを見て、糞と羽根まみれの巣を箒で叩き壊した。途端にぎゃーすぎゃーすは鳩らしい猫なで声で抗議をはじめたが、俺はパックに入った市販品のように身綺麗な卵が割れて黄色く平たい舌を出す様に見蕩れていた。
粉々にした巣を散水によって排水溝へ追いやると、こちらは何故か藁屑糞尿をまとった無傷の卵を回収して丹念に水洗いする。ケータイが明滅しない。ほとんどピンポン玉のようなまあるい卵は真由のほっぺたの色をしていた。真由のあそこをのぞきこむ市原。静かだと思ったら消えてなくなっていた鳩が。さっきの老婆が物干竿に狸を吊っている。前足を下に。
卒業アルバムやらくたくたのいくつもの外野手グローブやら小中の教科書ノートやらの沈殿した腐海と格闘した結果、遂に目標の天秤を押入れからサルベージしおおせると、さっきの卵を片方の皿に戴く。ピンセットを使ってハート型の分銅を反対の皿に一枚一枚、願を掛けるように置いていく。老婆は、くたばった狸に金槌で何かをすると、今度は包丁に持ち替えてその先っちょを狸の股の間でちょろちょろ動かしてみせた。真由は入口で焦らすと可愛い顔をするといふ。天秤はそよがない。裂け目に挿し込んだ指を下へとひっぱり、ぎしぎし竿をあえがせて皮を剥いでいく。天秤がそよぎません。中からは白濁した液体まみれの裸の真由が現れる。震えている。俺の手も。分銅が尽き、出せなかった恋文三通、真由がくれたフリスク二粒を机の奥からひっぱりだしてきて載せる。……そよがない! 俺は覚悟した。ケータイを奉げるのだ。そして……そよがない――
片方の皿に腰掛けたが結果は同じだった。
老婆が、調理済みの真由…じゃなかった狸の肉をごちそうしてくれた。オムレツのように柔らかく、玉子のような味が口にひろがった。腹がふくれると、俺の座っていた皿が少しだけ沈んだ。俺は老婆にもっと振舞うよう命令し、八時間たべつづけ、腹が割け、鳩についばまれ、もちろん死んだのだった。きっと夢のなかで。
高橋唯さんの「輪」は、今期一番好きな作品でした。私なら冒頭をどう書くだろうかと考えていたら、だったら全部書いちゃえというそんな出来心からなのでオリジナルが不満だとか批評的に書き換えたとかそういうことはまったくありません。と一応。あと、書いてて楽しかった。
〉 では、ありすさんも改変されてみません?
改変は何度かやってみたことはあるんですが、しんどいのでやりません。やっぱり個々の世界観があるもので、そこに踏み行って。かつそれを自分のものにするのはしんどいです。
〉オリジナルが不満だとか批評的に書き換えたとかそういうことはまったくありません。と一応。あと、書いてて楽しかった。
まさか。そんな風には思いませんし、そうだとしてもなんの問題もありません。とこちらも一応。
僕も書いていて楽しかったのでよかった。