■第211期 #4「春のひぐらし」への感想■
ありふれた簡単な表現しか使わなくても、その適切さや組み合わせや助詞動詞の使い様によって全く退屈せず新鮮に読み進められる。これが文の芸というものだな。
■第211期 #5「愛着」への感想■
女性から女性へのプレゼント、ハーブティーを待つ時間、小夜ちゃん。語り手の女性の心の中にある、共感、発見、理解に気持ちよく従えた。
■第212期 #2「ポスト兵馬俑」への感想■
コレクターに集められた死にポストが兵馬俑のような景観を作っている、その描写は好きですね。
■第212期 #5「ストライク! ストライク!! ストライク!!!」への感想■
好き! 好き!! 好き!!!
■第213期 #4「リアル」への感想■
ゴキブリとかを可愛く見せてほしい。
■第213期 #9「基礎AV鑑賞理論 第8講」への感想■
品位とそれらしさは保たれていると思った。
■第213期 #12「2020年5月17日(日)夜7時54分〜」への感想■
語り手が恐怖を感じるポイントが良かった。感想にもあったが、小汚いリアル感のある悪夢っぽい。
■第214期 #4「滲」への感想■
結構好き。
■第214期 #5「ソーセージ侍」への感想■
好きですね。どうしようもないです。
■第214期 #9「5:43-44」への感想■
この作品の中で主に書かれる事件は「9分の無言動画の男が、殺人犯人であるという流言が起こり、次第にほぼ犯人のように扱われ、実は犯人ではないことが公表され、事件後忘れ去られる」という起承転結物語である。これ自体は、読んでいる間は気になって引き込まれるが多分忘れるのも早い、ありそうでなさそうな曖昧なストーリーだ。
作品に読み方を与えるのは、男のメガネに1秒だけ映ったディスプレイに書かれたメッセージ「人は結局人が好き。」これのはずである。
「人は結局人が好き。」これが動画投稿者の伝えたいことなのか、はたまたこの言葉に対する言葉にできない怒りを表情を通して伝えたいのか。後者だとすれば男はなぜ怒っているのか。
「人は結局人が好き。」この言葉に作品が与える評価は何か。
読者はこの意味深に置かれた作品のキーらしき言葉「人は結局人が好き。」に少し向き合わなければいけない。考えてもすぐに答えは出ないが、多分考えている時の読者の表情は少し怒ってるように見えるかもしれないし、もしかしたら9分ぐらい無言でこの言葉を眺められるかもしれない。
この男が犯人であるという流言は、この動画に注目を集めて動画の意図を読む者を求めた動画投稿者によって起こされた方が面白いのか、もしくは、全てが偶然なのに妙に意味深な結果を生んでしまったという実態の方が面白いのか。
カラッとした読み物の多い印象の書き手だが、このジメッとした作品にも読み応えがある。
■第216期 #2「鰻屋 源二重」への感想■
レンジでチンだってたぶん確信して通ってる客。おそらく大将の人柄かコンセプトを好ましく思ってるのは本当かなーと思う。食べ◯グ風テキスト最高。
悟りを思わせる蓮の花の比喩。チン音をさせることで、小さくまとまらない源さんを見せるところ、好ましく感じた。
連れ3人がいる中でチンの音を響かせてしまうような「大将の大胆さ」、これがオールバックリーマン的にアリなのかどうか。チン音をさせない優しさの方を好ましく思ったのではなかったか。連れたちの心中は。次の評価は。などドキドキができる。