近寄っちゃだめよ。
おでんにされるから。
7 おおきいもの 辛さん 420
「わかんない。とくべつすきじゃないのかもね。」
「じゃあなんであめになってほしいんだ?」
「きょうははれたから、あしたはあめのばん。」
個人的には、ここがツボ。意図して書いているとは思えないが、子どもが本来持っている自然な大きさを語っている。そういう風に私は勝手に思う。長じるにつれて人は、好悪の感情によって生じる拒絶・聖別・差別と対峙しなければならなくなるのだが、この時の感覚を育むことができればおおきな人になれるだろう、という期待が膨らむ。
なお、これはまったく逆の読み方もできて、順番を守らせるというマナー観の萌芽と解釈すれば、小児的に無批判に吸収される社会秩序の顕れともとれる。
作者も意識していないであろう作中の一表現だけを取り上げるには語りすぎであろうかと思われるので、このへんでやめる。
8 早春賦 さいたま わたるさん 1000
うわー…無邪気におでんを喜ぶ姿がこんなにもどす黒いなんて。最後に登場する女の子は、今期一番非情な人物に決定された。