もう起きちゃ如何と 郭公が啼く カッコウ、郭公、各校格好滑降
杜の蔭から もう起きちゃ如何と 郭公が啼く カッコウ、カッコウ
3 空のボク、大地のボク、海のボク ハコさん 782
「空のボクは空だから」とか萌えっぽい表現がちょっと楽しい。陸海空の三つのボクには分担があるようで、大地のボクが現実を、海のボクが内面を、空のボクは包み込むような大きな霊性を顕しているように思える。
この分担があまりはっきりとは伝わらないのと似ていて、端折り過ぎて伝わらないところが幾つかある。わかりやすいところでは、
> (松本はるなにキスをした。)少しはにかんで、涙をこぼした。
例えばこんな風に主語を略す場合、それ相応の前振りがないといけない。彼女のことだと何となくわかるけれど、海のボクのことだとしても読めてしまう。どちらであってもそれなりの物語が展開するはずだ。
4 キーボードの上の羽 水曜日さん 650
散文詩、という風である。不条理な情景が、余分な装飾をされずに淡々と描かれていて、物のない乾いた部屋に戯れる恋人の湿度が強調される。
友人が中国人であることとか、彼女が鳥に変化することとか、どういう意図で配置されているのかがよくわからない。