3 空のボク、大地のボク、海のボク ハコ 782
「2学期、秋。今は三学期」とか「放課後が始まった。/海のボクは」、
「松本はるなはとても美人で、美人というよりとても可憐で」など、
無軌道な文脈がなんだか文の呼吸とあいまって心地良くもあった。
ただ「ボク」や「ナーバスになると、無性にピストルが欲しくなる」、
冒頭の知っている地名を並べ挙げたような部分に稚拙さを感じるので、
そこがたいへんなボトルネックになっているように思う。
これで語彙に個性があったら良くなったのではと思います。
またさらに「空のボク」といった空、大地、海が何を示しているのか
意味不明なので、この文章はこちらに何か訴える気があるんだろうかという
ことを疑いました。「ボクはきっと飲むと美味しい」と書かれた部分には、
勝手にしやがれと思ったりもしました。
友人の家でジャニーズのDVDを見せられて延々とその魅力を語られた時の
思い出がよみがえります。
4 キーボードの上の羽 水曜日 650
ネットサーフィンという言葉をなぜみんな使わなくなったのか、
ということをつい考えてしまいました。
同時に羽の生えた彼女は一体何者かということも考えました。
さいしょこれは飼っているペットの鳥を擬人化して書いたショートショート
なのかと思ったのですが、「黒髪ロングヘア」「後ろから抱き付いてきて」
などは、擬人化にしてもやりすぎな感じがします。
なので、この白い羽の彼女の正体がとても不明です。
また、
「部屋とキーボードの上に落ちた羽が悲しくて、窓からそっと彼女を逃がすことにした。」
このあたり、どうして悲しいのか、またどうして逃がすのか、
という部分が曖昧な気もしました。
しかし「中国人の友人」といったい何語でどんな話をしているのかといった
あたりは興味しんしんまるだったので、ここを掘り下げていただけたらチリバツ
だったかと思いました。