記事削除: パスワードの入力

削除する記事の内容

 待てど暮らせど友人が現れないのと、Twitterがなにやら騒がしかったので来てみたら掲示板が殺伐としていたのとで、今期参加者の皆さんのためになればと感想(みたいなもの)を書かせていただきます。創作の理論などは自分なりに構築しているつもりではありますが、いくぶん感想を書くという行為が大の苦手なので、話半分に見ていただけると嬉しいです。全然関係ない方向に進んでいることもあるので、その点は顔を引きつらせながらスルーしていただけるとこれまた嬉しいです。

***

1:12時すぎのシンデレラ 志崎 洋さん
・起! 承! 転! 結! というかんじですね。それが良いかどうかは別として、構成はたいへんすっきりしていて良いと思います。
・台詞連鎖で進んでいく形式というのは、あんがい好みの別れるところであると思います(僕の知人には、それを許せないというひとがいる。詳細はスペースがないので省略させていただきます)。難しいところですが、僕としては、もうちょっと「おばあさん」と「少女」の具体的な動きが見えてきた方がいいかなと感じました。

2:まよなかのはなし 笑珈仁子さん
・台詞があって、解説を挟んで、というかんじですね。
・言葉のチョイス、比喩の用い方にたいへん気を使っている印象がうかがえます。
・前にエムさん(でいいのか)も仰ってましたが、文章を目立つように、というかひとクセあるように、まあ理由は色々あるんですが、気張っちゃうとついつい副詞を多用しがちになりますよね。僕もたまにやっちゃうんですが、意味が重複することもあるし、ちょっとゴテゴテしてるかんじをうけます。

3:Good-bye 聖華さん
・読者と小説の位置関係と言うのは色々あって、語り手の視点や立場なんかも絡んできますが(これまた詳細は割愛させていただきます。たぶん僕の筆力じゃ上手くまとめられない)、これはちょっと僕のほうがシャットダウンされてる印象をうけます。疎外感? 僕がこういう色恋沙汰に疎い人間というのも関係あるでしょうが。

---------------------

「いかないでね。」
「いかないよ。」
「1人にしないでね。」
「1人になんかしない。」
「恐いよ。」
大丈夫だよ

------------------

・このやりとりは良いですね。ありがちではありますが、テクニックのひとつだと思います。

4:残暑 イエイツさん
・目新しい感じも受けず、展開に大きな波があるわけでもないのですが、丁寧に書かれているという印象をうけます。手慣れた感じもしますね、不自然さがない。

--------

隆がボールを投げて返す。
もう一球。そしてもう一球。
汗が滴り落ちた。
暑いな。
でも、気持ちがいい。
もう一球。
やっぱり、野球、やりたいな。
健二は何か吹っ切れたものを感じていた。

---------

・三人称視点から一人称視点への転換(大雑把な言い方です)と言うのは結構用いられる方法ですが(無意識にせよ意識的にせよ)、これを自然に扱えるというのも、「うまい」「へた」という一つの指標なんじゃないかと思います。情景の中に、直接的な感情を溶け込ませると言うか……。よくかけてるとおもいます。
・ちょっと1000字じゃ足りなかったかな……もう少し前後の展開が欲しい。

5:「クイズ棟方の統領は提灯鼻」 5or6さん
・感想かけませんッ!

6:雨 ほろほろさん
・定期的に小説を書かれるのであれば、「...」は「……」にすべきだと思います。
・「―――」も「――」(三つじゃなくて二つ)ですね。
・数行あけるというのは、この短編内でもよく見られる手法ですが、どうなんでしょう。縦スクロールじゃないと通用しない技だと思うんですが……まあ、見やすくなるし、いいか。
・あ、ケータイ小説も流行ってるしね。

7:肉の日 香椎むくさん
・うーん、何かを暗示しているのだろうか。読み取れん(時間もない)。
・うーむ、「僕」のほうが不気味だ。

8:死の舞踏 三浦さん
・すいません、僕はこの作品に感想を書けません。

9:熱闘関ヶ原 さいたま わたるさん ★
・おもしろい。なにやってんだ一体。
・これ結構考えるのに時間かかったと思う。僕なら勿体なくてこんなマシンガンみたいに惜しげもなく放出できない。見直さなきゃならんと思います。
・しかし、この抑揚の波を出そうとすれば、こうするのが一番効果的なんだなあ、ですね。

10:エルの終末 アンデッドさん
・なぜかしら読みにくい。引っかかる。僕だけかもしれないが。
・たぶん「作品の根本にある重要な要素」と「そうではない要素」が同じ調子で書かれているから、なんかよくわからない感じで引っかかるんだと思います。
・作者のわかっていることを、わからない読者に伝えるというのは、小説の根本であるというのにも関わらず意外と忘れられがちになりますね。そういうのを「独りよがり」、あるいは「妄想小説」とかなんとかいいます。誰のことを言っているかというと、この作品ではなくて、僕のことです。みなさん気をつけてください。

11:錆 群青さん ★
・ああ、面白いですね。
・「錆でざりざり」だけでもネタとして成立していて、それだけで終わってもおかしくないのですが、あえてそこに甘えず、新たな命題に向かって筆をすすめたというのがわかります。それでいて消化不良を起こさず、綺麗にまとめているのもよいです。
・さいたまさんも群青さんも、投稿は今回が初めてではないと思いますが、僕が読んできた中では、今回のものが最もよいと思います。これからも頑張ってほしいです。

12:まぐろ なゆらさん
・ああ、これも絶妙なとこ突いてきたなあ。
・ネタとしては十分面白いのですが、11のように、もう一つ何かにつなげてほしかったかなと感じました。あとすこし広げられたんじゃないかと。
・何か暗示してるんですかね。僕そういうの読みとるの苦手だからなあ。
・全然関係ないけどこれ思い出した。すでにマグロじゃないけど。
http://www.youtube.com/watch?v=Tfvuvum7H0Y&translated=1


***

 そろそろお店のほうを追いだされそうな雰囲気なので、ひとまずこのあたりにしておきます。またいつか時間ができたら書くかもしれません(いらない?)。

 ここまで書いて思ったんですが、それぞれの作品を構成レベルに分解、つまりアウトラインの形式にして書き出してみるという試みって面白いんじゃないかと思いました。作品をプロットまで逆戻りさせる、みたいな感じですが。そうすると、文章をなぞるだけじゃ見えてこなかった細部や、意外な発見なんかもあって勉強になるんじゃないかなー、と。

 ろくなこと書いてませんが、なんらかの参考になれば嬉しいです。

運営: 短編 / 連絡先: webmaster@tanpen.jp