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本文: 〉1 バリア 〉不条理で残酷な話だなあと思いました。 〉ただ怖い話なだけなので、怖さをもっと強調するか、他の色を足したらな、と思いました。 〉 〉2 水分茶屋 中川口物語ー塩舐め地蔵 〉「見方を変えれば違ってくる」というのがもっと深められていたらなあと思いました。一言でそんなに変わるのかなと。お婆さんとおっさんを対立させて葛藤を作っても良かったんじゃないのかなと。 〉また、最後のところ、お婆さんは前にどんな見方をしていたのかちょっと分からなかったです。 〉 〉3 逆時計 〉これは彼女が「逆時計」って言って二人の関係をほのめかしていた、ってことなのでしょうか。であれば、もう主人公にはっきり気付かせてしまって明示しても良かったかなと思います。 〉逆時計であらわすことができるのは、時間を戻せないことへの感覚だと思いますので。こっちを強調した方がよいのかなと。 〉逆時計って本当にあるんですね。 〉 〉4 ロマンチスト 〉「結婚しなくていい。」と言いつつ、お見合いをしたりするあたりの矛盾が気になりました。主人公としては、結婚前提の見合いということではなかったのかなという解釈もできますが。 〉結婚は悪くないものだよなと思います。 〉 〉5 炎壁 〉小説の主人公は難しいなと思うのですが、私としては、このお話の主人公はなんで警察に行かないのか不思議で、むしろ先が読めなくなるほど腹が立ちました。些細なところですが、こりゃ常識的じゃないなといった設定の人物を出す時は、脇役などに「ほんとあんた変わってるわ」とかツッコミを入れさせて読者の気分を代弁させてやると、中和されたりします。 〉 〉6 猫と労働者 〉私が動物に不信感があるからなのか、猫の擬人化の話は苦手です。 〉教科書に「ごんぎつね」が採用されているからこういう話が好まれるのだという俗説があったように思い出しました。 〉 〉7 Visitors 〉怖い話だなあと思いました。 〉ただ怖い話なだけなので、怖さをもっと強調するか、他の色を足したらな、と思いました。 〉 〉8 春と食欲 〉え、これでほんとに終わり? という感じでした。 〉「ヒナコは猫の姿」や「僕はただの『お手伝い』」といった自分ルール的設定がなんだか分からないうちに終了という感じで。 〉 〉9 真夏の雪 〉年齢のアドバンテージを利かせた感想を残すのは嫌悪感を抱かれてしまうのだろうなという心配を前置きにして書きますが、自分もこのお話のような感覚に陥ったことは昔よくあったな、と思いました。社会に参加できないというのに、情報だけは多くて耳年増の頭でかち。たまに社会から要求されたと思ったら経験不足で力不足で自己嫌悪。社会での具体的な成功イメージが形作れずに、「真夏の雪」といった有り得ないが自分の頭の中のひどく美しいものに(アンデッドさんのようにひどく醜い場合もありますが)カタルシスの発生装置を求める。 〉この若書どもめがと好意的に罵りたくなります。全体の朦朧とした文章の中で、東京や桜木町といった固有名詞がほのかな観察眼を覗かせていて、微妙な変化がありました。 〉 〉10 準備中 〉記憶力が薄れてきているのか、「アリとキリギリス」の話を忘れかけているのですが、ほとんどストーリーが変わっていないように思いました。どうでしたっけ。 〉キリギリス、楽しんで死んだのだから幸福だと思うのですが、アリ視点だとキリギリス的生き方は否定されるのでしょうか。 〉 〉11 寂しがり屋 〉これもしょっちゅう思うことなのですが、自分の意見を言うために小説を使うのは、小説を痩せさせてしまうことになるからと、悲しく見守っております。 〉セカンドライフという仮想web社会がありましたが、あれであほほど儲けたって人がモンスター的外見をしていたとかで、それに妙に納得した自分に辟易したことを思い出しました。 〉 〉12 青い月 〉あまりにも題材に採用されることが多いので、家族、男女、友人といった人間関係、それから動物や自然賛美、なんであれ身近な生活感情、そういったことごとくはもう小説に書くなよと時々思います。書くなら構造や文体、シーンメイクに興を載せてくれと思うのですが、そんなこともないのですかね。 〉お父さんは、なんか子どもとあったんだろうかねと思いました。 〉 〉13 極意 〉なるほど。確かに旦那の血液型を聞くのは意外性があって話に引き込まれますね。ちょっと私も使ってみようと思いました。応用も利きそうだし。新しいやり方を覚えると使いたくなります。 〉 〉14 受賞者 〉「全国民に平和への貢献の証として、ノーベル平和賞」って、ほのぼのとしていて良いですね。 〉 〉15 鈍感 〉ああー、きっとこの展開でいくと、奥さんも穴を掘ってるんでしょうね。 〉なんかこう、ショートショートも新しい境地が欲しいですね。正直なところ、ツンデレっていうのもショートショート世界の住人的発想だと思うのですが。華麗なる読者への裏切りってところで。もうすでに決定的なデレを待つための様式美化しているところもありますが。様式化すると、あとはもう洗練しかないんでしょうね。 〉私は個人的には、成立するか成立しないかぎりぎりのラインを、縫い針が布の表裏をいったりきたりするような状態が好きなのですが。 〉ともあれツンデレは性格的要素を色濃く塗り込めた新しいショートショート的発想のひとつなんではないのかなと。 〉 〉16 Daydreamer 〉 脳は飽きっぽくできています。「三日坊主」に悩む人が多いのも当然です。解決策は「脳をだます」ことでしょう。一つのポイントは「淡蒼球(たんそうきゅう)」という脳部位です。淡蒼球は「やる気」や「気合」など日常生活で大切な基礎パワーを生み出すといわれています。自分の意思で淡蒼球を動かすことはできません。しかし、ご紹介する「四つのスイッチ」を使えば、淡蒼球を起動させることが可能です。 〉 〉17 いかさま 〉「人類が神によって地球にもたらされた」ってかっこいいフレーズですね。勇敢な気持ちになります。 〉「石川」って書いてしまうと、人間が野球しているような印象を与えてしまうかなと思いました。 〉 〉18 冬が来る 〉あんまり冬っぽさが伝わってこなかったんですが、自分が鮟鱇で季節感を感じられないからなのかなと思いました。あん肝だったら冬だなって思うのですが。 〉「鮟鱇を掛ける」ってとこで、「鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる」って俳句を思い出しました。この情景は見たことないんですが、俳句の中の言葉の圧力でその様子を思い浮かばせる力があるなと思います。 〉 〉19 モーニン 〉最初の「同級生の男の子を好きになるなんて、あたしもつまらない女になったもんだと思う」がかわいいし、全体的にもかわいいし、タイトルの「モーニン」もかわいくなってくるし、かわいさだけでしか出来ていないし、まるでアイドル主演映画でストーリーはつまらないんだけどアイドルがかわいいからかわいいやというようなお話でした。 〉挨拶が気持ちよくできる人はモテる人だと思います。 〉 〉20 誘惑 〉やっちゃいけないと言われてることほどやりたくなるのはなぜなんでしょうかね。脳科学的に言うとどうなんでしょうかね。てか、私が恋愛ベタなのは父親の愛が足りなかった式のえせ心理学的解釈みたいに、脳科学的解釈が出回りつつあるような気がします。なんなんですかね全く。 〉1000字ぴっちり描くのであるならば、主人公の誘惑に負けたエピソードをもうひとつくらい読みたいなと思いました。
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