仮掲示板

小並感

1
わざとおかしな文体にしているのかと思ったら、この人はいつもこういう文体のようでした。パンチとかフックとかいわれるものがあまりないような感じがしたので、意図していたのと正反対のことを言っているかもしれませんが、緩急をつけるといいのではないでしょうか。

2
話の内容より誤変換に狂気を感じてしまったので、たぶん演出としてはうまくいっていないのではないかと思いました。

3
ちゃんとした構成で、オチもあるのですが、面白いかというと正直そうでもなかったので、かえってもったいない感じがしました。

4
どういう世界なのかについて、もっと効果的にヒントを出せるんじゃないかなあと思いました。書き手の持つイメージをうまく受け取れない歯がゆさというんでしょうか。あるいはもっと、現実との関連を意識させないような言葉遣いにした方がよかったんじゃないでしょうか。

5
話の進め方とか、会話と地の文との繋げ方とかが、いかにもこのサイズの短編らしく決まってはいるのですが、それだけに、際立った個性のない作品、という印象が強くなってしまうような気がしました。悪いこととはかぎらないので、それでいいんならいいんですが。

6
語りの口調が不安定なので、こういうネタをやるときは、「誰か」の存在を意識するか、あるいはどういう目的で書かれた文書なのかをイメージするべきだと思いました。あと、オチへの持って行き方がわかりづらい感じがしました。親切ではない、という程度ですけども。

7
『わたしみたいになってるのはわたしだけだった。』がいいですね。作品としてすごくうまくできていると思いました。

8
他の作品を見てみると、こういう感じのときと、視点の問題が存在しないときと、一応使い分けがあるようなので、器用なのか不器用なのかよくわからない人だと思いました。丁寧でもないし狂気を感じさせるわけでもない、やや中途半端なところに落ち着いてしまっているような気がします。

9
最初に梅雨の話をしていないせいで、読後感がふわっとした感じになっているんだと思いました。で、私はそれがあまりよくないことだと思うのですが、書いた人はそうではないんだろうな、と思いました。

10
こういう場合にツッコミの台詞を省略するというのはすごく斬新な技法だと思いました。斬新過ぎて最初よくわからなかったのですが、こういうのはもう定着しているんでしょうか。逆に、ツッコミの台詞がないとわかりにくいという問題を解決するためだけに台詞が置かれている、という形で問題を定義することもできるので、根の深い話だとは思いますが。

11
この人にかぎらず、文章がわかりづらくて、一つ一つの表現にキレがない、という特徴を持った人が、短編の投稿者の一定の割合を占めるようですが、そういう人は、長いものを書く方に適性があると思います。でも、好みが合わないだけかもしれません。

12
起承転結の中にメタ階層とループ的な要素が入っていて、姉も少女も猫もいるという、盛り沢山の内容なんですが、字数の制限に挑むような呪術的な叙述はなかったので、いい器を見ているような気分というんでしょうか、読者が受け持つ部分の多い作品だと思いました。その器を満たすだけの何かがあるかを問われているような感じですね。

13
千文字で伏線を使う人はあまりいないですよね。便利だと思うんですが、気付かれないと虚しいからでしょうか。個人的にはある方面の狂気を感じて、面白かったです。

7と12がよくて、5、9、13はちょっと個人的な好みに合わないかなあという感じでした。自殺と幽霊がなくてよかったです。

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