11 男たちのヤマト 大股 リード 781
風俗使ったこと無い。
なんと感想を書こうか迷って三回くらい
読み直したのだけど、あまりなにも思い
浮かばなかった。
就職活動はたいへんですね。
12 ジョー淀川 vs 峰よしお 頭をわしづかみされるハンニャ 999
ジョーかっこいいなあ。
こういうことを書くにはお話の定型
というものをきちんと分かってないと
できなんだろうなと思います。
きっちりしたお話のフレームを理解して、
その要素を全置換させる。
今回の話は個人対組織というテーマで、
いち社会人として熱い感動を覚えました。
俺もジョーみたいになれたらいいよな、
と思いました。
13 チュベローズ 宇加谷 研一郎 1000
タイトルの意味がまったく分からないの
ですけれど、面白かったです。
これも終わりがないようなお話なのかも
しれないなあと思いながら、ただ文字を
追うようにして読みました。
猿ってなんだろうか、とか、確かに
公と私の間の時間帯というのは気持ちが
良いというか、なんというか、ともあれ、
不思議な気分だよなあ、と共感を感じつつ
読みました。
そもそも働くという行為が家族のいるベッド
タウンから遠く離れて縁のゆかりも無い職場に
行くという行為になってしまったとき、職場で
目立てない人はまるで学校では目立てないけど
地域では有名みたいな、これは要するに
「釣りバカ日誌」が中央に据えている根深い
テーマなんだと思いました。
解決方法はいくつかあるかと思うのですが、
趣味に見出すとか、仕事で自己実現する
とか、ただし、すべての人を満足させる
回答と言うのはないように思います。
14 晴雨 白雪 770
よく分からなかった。
狐とぶつかったというお話なんだろうか。
だとするならば、お話のパーツが組み合わさり
そうで組み合ってない状態で、なんだか
もやもやさせられた。
と、そう考えていたら、なんだかこんな
もやもや感もほかではなかなか味わえない
ようなものであるのだなと、思ったり
思わなかったり。
15 わくわく 野川アキラ 634
小学生の時だったと思うのですけれども、
国語の課題で、教室にあるものを擬人化
しようというものがありました。
例えばこうです。
毎日毎日黒板を拭かされてばっかり、
休み時間になったらばんばんと叩かれるし、
たまには俺も休みが欲しいよ。
そういう俺は、「黒板消し」と呼ばれて
いるよ。
ふだん私はミステリ小説を読まないので、
ミステリ小説とはこういうものなのだと思って
います。
いや、アガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」
がこんなお話だったような気がします。
16 僕と猫 たけやん 490
余計なことを書かないのが素晴らしいと思う。
面白い。
理屈をこねても仕方がないんだけど、
(1)
テクストと
テクストを書くための金魚の万年筆
という、メタな関係。
(2)
金魚がお好みかと思いきや、
けっきょく何でも良かった猫。
という、なんとなく循環した世界を
感じさせる要素が良かったんだろうか。
あと、
(3)
構ってもらいたがっているのでは?
と思わせる猫、
というのも、循環した世界に退屈する猫、
ていうのを思わせたりもするのかも。
17 松の木のおじさん bear's Son 1000
改行が少なくて読みづらかった。
なんだか「スタンド・バイ・ミー」
みたいだった。
こういうのはとむOKさんが上手いですよね。
ほのぼのしていた。
ローソンという作家がこういう話を
書いていますよ。
18 きれいな円が描きたい 三浦 992
さいごの、
>そういったものが感得されてきたように思え、この風習を続けてきたこの土地の人々の真実さを感じられずにはいられないのである。
といったあたりがどうも、平穏無事すぎて
残念に思いました。
さいしょの方は、実際に読みながら自分も
手を動かしたりして、物を書くということを
あらためて考えたりして楽しかったのですが。
風習というのは、現実でも変なものがあるから、
こうして虚構の中で扱われても、妙に説得力が
あるなあ、と思いました。
風習や習慣って面白いですね。
20 Dreamer 群青 1000
ものすごく面白かった!
と思ったら、前回のお話も、私は
お気に入りだった!
・ 最初の一行がかっこいい。
・ 数字で話を進ませるあたりの偏執的な匂いのするあたり。
・ 大袈裟でないトーン
・ 「流石兄。」などのユーモア
・ 展開が多いところ
面白いので気になるところを。
・ 谷底へ身を投げる
→百億回は使われた比喩だろう
・ 緩和な生活
→緩和:きびしい状態をやわらげたりゆるめたりすること。また、やわらぐこと。
・ 「勝手に見当をつけた。」「僕はそう見当をつけると」
→「見当」2回使っている
・ 鮮やかな、真っ白な花
→白は無彩色なので、違和感
・ なんて平和な生活だろうと、僕は思った。
→ちっとも平和な生活じゃないと常識的に思うので、
主人公がどうしてそれを「平和」に思う理由が知りたい!
ただ、これらは私の感覚でひっかかった
ところなだけなので!
とにかくとても面白いです。
ありがとうございます!
こんどサイトの作品も読ませていただきます。
21 美空ひばり評 わたなべ かおる 920
面白いとしか言いようがない。
凡庸で幸せそうな家族像が見られる
あたりが取り得だけの話だし、さいご、
とうとつに自分の話を考えてしまうあたり、
青い主人公だなあと思うものの、でも、
それでも面白い。
もっと展開があったほうが良いのに!
とか、いろいろと要望はあるものの、
でも素朴な温かさが強い。
深夜の駅のホームで酔っ払ったおじさんが
駅員さんに絡むような嘘のなさがある。
いや、こんな家族は嘘っぽいのだけれども、
それを心から望んでいることが文の背後から
感じられるから良いのだと思う。
衒いがない。
衒いがないというのは悪いことじゃない。
22 部活動生22 壱倉柊 1000
前半の夢の描写部分の矛盾し放題
のところが気持ちいい。
こういう書き方って読んでいて
楽しいなと思う。
「夢オチ」でしたよ、という終わり方
なんだけれども、印象が弱いように
思いました。
今回のお話をぎゅっと縮めてもらって、
起承転結の「起承」の部分にし、もうすこし
先の展開まで書いてもらえたらもっと
楽しいかと思いました。
なんでああいう夢を見てしまったんだろう、
という素朴な疑問が解決されず、
どうにも喉に詰まってしまった感じが
するのです。
23 くろぐろとうろこを るるるぶ☆どっぐちゃん 1000
読んでいて気持ちが良い。
魚とかオルガンとかミニカーとか言葉が
たくさん出てくるのだけど、それらの繋がりが
さっぱり分からず、でも、分からなくても
同じ作品の中に置かれてしまうと、例えば
魚とミニカーとの初顔合わせに何か、
妙なイメージを持ってしまったりする。
無理やり関連性を考えてしまう感じ。
24 線的虚構の解体(おためし版) 曠野反次郎 1000
なるほどそういうことだったのか、
という気持ちにはなったものの、小説を
読みたいです、という気分を埋めてくれる
ものではぜんぜんなかった。
小説を読みたい時って、私にとっては
現実逃避したい時や一人で考え事を
したい時です。
「短編」というサイト自体がひとつの
メディアとなってきていて、
・ 投稿作品
・ 掲示板
・ 票感想
といった短編内部はじめ、
・ 各人のサイト
・ mixiでの交流
・ メールでの交流
といったネットまわり、
それから、
・ リアルでの交流
と様々な時間、空間で、交流が
行なわれている。
そもそもこの状態そのものが
面白く、この状態よりも面白い
小説を書くのはとてもむつかしい
ことだろうなと思いました。
ということで来月の
一日一つ感想は、曠野さんに
ご依頼させていただきたいです。
お忙しい中、恐縮ですが、
何卒、よろしくお願いいたします。