17 彼と私の話法 わたなべ かおる 1000
すっげえ怖いよ!
ひたひたと忍び寄る女の恐怖。
ある種の女の人はなんて弱いものが
好きなんだろうと思う。
中島みゆき的世界がひろがってるんじゃ
ないのかと思って急に聴きたくなって
CDトレイを明けたらヤーヤーヤーズが
入っていた。俺の鑑賞ログは全部短編から
トラッキングできるのかよ!
ということで「あぶな坂」を聴いているのです。
人間が二人でいることのさみしさ、かなしさ、
は、つまり、永延と互いに関心を寄せ合うことで
完結してしまうこと、だというのは、一面の
ほんとうだと思います。
要するに互いの醜さあるいは弱さ、あるいは
美点だったり、ともあれ、そういったものを
相互補完というかなんというか、ともあれ、
二人いれば共犯。人間、黒いものでも、
二人が白と言えば白。現実なんてどうでも
よい。構わない。二人の中だけの真実という
ものがあり、いや、真実というものはそもそも
二人の心の中だけにしかありえないのかもしれない。
自分と彼との関係性への仄かな逡巡を
> 「ね。ごはん、食べよ。ね」
とか言って食欲で誤魔化すあたり、
どんだけ勇ましいんだ。
> 「君の優しさを伝えられないことがもどかしい」
という台詞は、つまり、「黄身の優しさ」を
小説に落としこめていないってことが
「もどかしい」んだと思いますよ。
26 お別れのキスのことばかり考えていた 995
ぷえー。
面白かったです。面白いと何も言うことがない。
あとかっこいい。ただ面白さにちょっとくせがないのが気になった。
気になったとは偉そうだな俺は。ああいっそのこと無力な自分に
嘆いてずっとニートでいられたら。
お話の内容と文体が合っていて良かった。
くせがないというのは、表現はとてもきれいで楽しめるのだけれども、
けど毒がないのがちょっと物足りないのかもしれない。
一言で良いから、生身の感じのする、レトリックのない感覚を
描いて欲しかったのかもしれない。
愛しいなんていう感情は稀なもので、だからこそ貴重だ。
なつかしのh抜きでリンク
▽ もぐらさん
[短編感想]第59期感想
ttp://d.hatena.ne.jp/lilac_guitar/20070824/1187955985
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59期感想
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第49期全感想 #21-27 & おまけ
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すまないが時間がないんだ。
3 ビーアグッドサン バターウルフ 997
すっげえいい話。
ちんちんは男の子にとってとても大切なものだと
思います。両親も大切だと思います。
ただ性的衝動はご存知の通りたいてい一回の射精後で
おさまり、次のチャージまで時間がかかるわけです。
その治まった間の、夫婦間の情愛が心配だ。俺はその静かなる
愛情を育むべき時に手と陰茎しかない二人の間が心配だ。
ちっともシモネタじゃないと思う。
ものすげえ良い小説だ。
4 忘れられた昼食 公文力 1000
面白いのだけれど一ヶ月前の内容を忘れている。
なにかが起きそうで起きず、進行しそうで進行していない
雰囲気があるから面白い。
1000字を分割配信するなら三日おきくらいが良くないですかね?
5 吉右衛門と六甲おろしのおはようサンデー 宇加谷 研一郎 1000
ちょっと歌詞が古臭い感じがしました。
俺はひとつ1分くらいで作品を読むので話が
よく分からなかったです。
長月さんの感想を読んで意味がつながりました。
結婚すると性的固有結界が張りにくくなるのですね。
6 八丁林の探索は bear's Son 1000
も の す ご い 時 代 錯 誤 感 が !
こんな懐かしさがあったら良いなと思うものの、
こういった主題の面白い作品なら昔の作品を
読めばよろしかろうと思った。
お話単体としては面白かったです。
7 逢魔が時 TM 997
なんだこれ
>「レギオン。人の罪を知ってる。あなたが最も恐れている存在。さあ、魂を」
訳分からないんだが、ここに奇妙な味わいがあった。
レギオンってレジオネラ菌の語源なんですよね。
老人が轍にはまってかわいそうだった。
笑ってしまったけど。
確信犯でギャグを書いてるのか真剣に書いているのか
分からないのだけれども、ともあれ笑ってしまいました。
9 シバタ坂のデンジャーゾーン かんもり 931
アナルとアヌスの語用の違いがわからない。
ただアヌスの方が高尚に聞こえますよね。
そのあたりの言葉選びは良かったと思います。
くだらなさ過ぎて泣けた。
10 月はただ静かに 黒田皐月 1000
こういう風景と所感のキャッチボールはとむさんが
とても上手いですよね。
いまどき月にしんみりするとは珍しい。しんみりする人の
パーソナリティ知りたい。
11 パッキン 壱倉柊 999
面白かった。
他の人の感想読んだらあんまり面白いって言われて
なかったから、俺はこういうのが好きなんだなと思った。
決定的な表現はなく、暗示ばかりで進行していて、この
チラリズムが俺は好きです。
ということで俺もこの類は書いていて、
(生活問題)ttp://tanpen.jp/51/19.html
これですが、このときは、「ダンボール園児」とか
「手話」とかあからさまに暗示ですよ、といった
ガジェット乱用しました。
で、
> すると急に新生活への不安が喉元に込み上げ、続く言葉を失くした。
といったところで決定的一言を書いてしまいました。
書こうかどうか迷った一言だったのですが、優勝したところを
みると良かったのでは、と存じます。
前回の「メフィストフェレス」も暗示の多い作品でしたが、
この類の作品は、象徴のインパクトと、決定的一言の記述が
読者獲得の要となるのかと存じます。
12 三軒先の如月さん 白雪 853
うっうー。
俺もオチものを書いてはいるけど、
(どうかしていたのであった)ttp://tanpen.jp/41/22.html
今読み返してみるとひどい。
オチものって思いついたときは嬉しくて、
でも人に見せたら意外とウケ悪かったということ、
よくあったりしました。怖いですね。
実は犬でしたよ、というオチはあんまり斬新じゃなかったです。
たぶん長月さんは例作にこれを挙げると思います。
ttp://tanpen.jp/3/11.html
13 バドミントン 灰人 414
これは影が幽霊だったってことですか?
16 花の卵 朝野十字 1000
最後がなんだか切れ味の悪い高橋源一郎みたいで
とても嫌だった。その前までのダイアログは素敵だったのに。
20 ドライブ たけやん 506
俺も深夜のベランダに女の人が大勢立っているという
妄想に取り付かれています。貞子みたいなのがね。
22 オチのない話が書きたい 三浦 957
オチなくっても面白いと思えるのは、るるるぶちゃんさん
みたいのが面白く感じられるのは、ガジェットが置いてあれば
それに反応する脳の構造を人間が持っているからだと思う伊太利亜。
20世紀は心理学の時代だったが、これからは21世紀は脳科学の
時代ですよね阿蘭陀。
というわけで、異物が同じ場所に二つあればその関係性を探りたくなるのが
人間の習性ではと。真っ白な部屋に芋虫とカナダ人がいました。
読者が勝手に読めばいいです。
23 ナガレ 草歌仙米汰 909
なんだかよく分からないのだがこれも象徴を読んでみたりすると、
あんがい平凡な感情が見えてきた。
人生観みたいなのを象徴化するのってちょっとださい。
ありふれた生活感情を暗示させるとかっこいい。
24 こわい話 長月夕子 1000
あらのさんみたいな話だなと思った。
これこそメタな話だと思いますよ?
話している女
――――――――――――――
(その話を聴いている人)
――――――――――――――
それを読む私たち読者
三つの階層に分かれているんだけど、
小説としては女の話しか表面的に表れていない。
読者が(その話を聴いている人)を読み取る能力が
あるかどうかが面白いかどうかの要。
25 ぷらなリズム とむOK 1000
エクスペリメントな香り。
プラナリアと「わんわん」言葉で奇妙な情景を
作りあげているのだけれども、最後があまりにも常套句。つまりかっこよく言うところのクリシェだ。
大事に残しておいたものとどう書けば良いか思い浮かばなかったものの二極が残っていたのだと、そんな気がします。
この手法は、個人的には件数だけが増えるから好きではないのですが、忙しいから少しずつと言われると、それももっともだとも思うのです。
〉10 月はただ静かに 黒田皐月 1000
キャッチボールと取られたのは意外。そう言うと風景の描写と所管の表明とで行き来があったように聞こえるのですが、そんなつもりはなかった。ボールを投げる動作で言えば、投げて終わり。
〉こういう風景と所感のキャッチボールはとむさんがとても上手いですよね。
〉いまどき月にしんみりするとは珍しい。しんみりする人のパーソナリティ知りたい。
済みません、嘘です。この作品に「所感」などあったのかと無責任に思ったのが本当です。今ごろそう思うほどに、最後の段落のことしか考えていなかったようでした。
しんみりしたのは作中の演技で、本当はそんな情感など持ちあわせていない黒田皐月でした。
〉大事に残しておいたものとどう書けば良いか思い浮かばなかったものの二極が残っていたのだと、そんな気がします。
ぜんぜん違いますよ
適当に選んでおりました
〉この手法は、個人的には件数だけが増えるから好きではないのですが、忙しいから少しずつと言われると、それももっともだとも思うのです。
確かに掲示板汚くなるんですよね
毎日アクセスする楽しさを作ろうと思ってのことですが、改善しなくちゃいけないところもあるようです
〉キャッチボールと取られたのは意外。
ここ、ちょうごめんなさい
ぜんぜんキャッチボールしてなかったですね
すみません
ひたすら情景だけでした
ちなみに日本人がこういう風に風景に感情を託すのは万葉集からだそうですね
などと知識でごまかそうとするけどこれも実はあやふやです
〉しんみりしたのは作中の演技で、本当はそんな情感など持ちあわせていない黒田皐月でした。
ここはもちろん黒田さん本人のパーソナリティではないですよ
登場人物の性格のことでした