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こんにちは。

すでにいろんな方が感想を書いているので私は感想の代わりに各作品から(私の)「好きな一文」を挙げてみたいと思います。私の中ではとびっきりの一文(のつもり)ですが、なぜここを抜き出す? と思われる方もいるかもしれません。が、私はこれらの一文を読み返すだけで作者の文体とその世界観を思い出すことができる、そういった箇所です。興味がある方はご自身の選ぶ一文と比較しながら作品を読み返すと別の楽しみ方ができると思います。今期もおもしろかったです。

(蛇足ですが、)今期のqbcさんの作品をめぐる掲示板での議論には私も学ぶべきところがたくさんあると思いました。書き込みはしてませんがいろいろ考えて自分なりに参加してました。作者に疑問をぶつけてもちゃんと返事がくる、或いは疑問を持つくらいの読み手がいて、生の感想がもらえる。それが穏やかでかつスリリングな対話へ発展していっている。こういう過程の議論はすてきだなとうらやましく思います。


66期の好きな一文

#1 夏の動物
キリンはかばんを向こうの手に持ちかえ、自由になった私の手を握った。

#2 世界一短い推理小説(千字ver)
「その日の午後二時、T.Nは何故あのように殺されたのだろうか。」

#3 淑女渇望
「私が郊外にある別荘のベッドの上で休んでいる間に、総ては起こって、そして終わってしまった。」 

#4 追い風
ボーナスが出たので、顕微鏡を買った。

#5 ナレーション
今のところそれだけでございます。

#6 求ム、
もし玩具ならまだ方法がある。

#7 たけしの観照(3+9=?)
あいよ、と料理人はないメニューに応じた。

#8 舌鼓
皆が会社説明会に行き始めた頃、僕は乗馬クラブの会員になった。

#9 ひつじ雲
パパは笑うけど、傍目には悲しそうに見えてて、でもそんなことないって知ってる。

#10 Corruption of the best becomes the worst
俺には約束があるから、10分内で済ませてほしいのだけれど

(投票した)#11 小あじの南蛮漬け
洗濯ばさみくらい落とす時だってあるし、気がつかない時もあるのだ。

#12 らくだと全ての夢の果て
名前は知らない。聞き取れなかったから、それで良いと思った。

(投票した)#13 アイ ウォント ユー
お互いに住む世界が違いすぎた。

#14 擬装☆少女 千字一時物語24
ワンピースは、ただの布地でしかなくなっていた。何気なくそれを手に取った俺は、その軽さに驚いた。

#15 右手と左手の会話(ソナタ形式)自作
それみろ、あのベルも相手の音だったんだ。

(投票した)#16 糞の礼
関さんは俺よりも休憩にはいるタイミングが遅かったので状況に詳しい。

#17 海退
海に足を浸すことができれば、すぐにも帰ると書き残してきた。

#18 仮面少女
部屋までが暗くなった。Daigoさんが、もぞりと机の下から枕を取り出す。

#19 車内の吐息
扉が音を立てて閉まった。電車がゆっくりと加速する。

#20 顔
「見えなくなったら手を引いてくれる?」

#21 オレンジ
知っていたはずのこの色を、もう一度確認してみたくなった

#22 常連のお客様
人目を避けて自宅に帰ろうと思い、商店街の脇道を選んだ時だった。

#23 祖母の入院
みゆきおばさんと混同しているのだろうと思った。

#24 さあ、みんなで!
「どういうつもりかな、猿飛くん。運動するのかな」

#25 シルク
「痛いなあ脚どけてよ!」

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