16	僕の天秤	櫻 愛美	875
 読ませる何かが足りないのではないか。突如背後から声がしただけでは、読者としては続きが気にならない。セリフが短いのは、書くことがないからだということをおれは知っている。
17	タイム・ワープ	fengshuang	962
 タイムワープだけで引っ張るのは、このご時世、ミーハー過ぎないか。子ども部屋の勉強机に飛び込んで壇ノ浦の合戦に巻き込まれるといった、F先生のわくわくを見てみんな育ってるんだから。
「……特別よ。後ろに軽く一歩下がるの」はかっこいいね。
18	横断者	笹帽子	1000
 横断者って言われても、それだけじゃわかんないから。このネタを活かせるシーンはもっといくらでもあると思う。時間がなかったのかな。
19	桜の樹の上には	三浦	992
 なにも見えなかった。と言われてなんだろう? と想像したが、直後に曾祖父とズバリ書いてあったので、まじでガッカリした。どうでもいいことかな。感想としては、おもしろかったです。できごとが自閉的というか文学っぽくて、そこは好みじゃなかった。
20	猿の証明「2+2=5」	宇加谷 研一郎	1000
 ”これはアナロジーでも童話でもない。彼は本物の猿だった。”と言われても納得できなかった。”猿を恋人にした女性は古田さんといって”から始めてくれれば騙されてあげたのに。証明の内容がよく理解できなかったので、それっぽければいいや、的な作者の精神を感じてしまった。