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本文: 〉36 花火の夜 〉 〉 失望は夢想を誘うのだろうか。マイケル・ジャクソンは死んだ。マリリン・モンローはとっくの昔。そして“映画は死んだ”なんて話も、風の噂で聞いたっけ。失望は続く。花火は一夜で終わるけど、ビスケットの包装作業に終わりはない。これも風の噂だけど、工場のいラインは月まで続いているんだって。どうりでね。だったらいつか、僕も月にたどりつけるかもしれない。マイケルが、ムーンウォークを踊ってる。 〉 私たちは、夢想するしかないのでしょうか。 〉 〉 〉37 預言者 〉 〉“死んでも死にきれない”という言い方がある。若くして死んだ人は、皆そんな気持ちで死んでいくのかもしれない。それは死んだ本人だけじゃなく、回りの人にとってもそうなのだろう。「幽霊」は、そんな死者と生者の空白を繋ぐ。しかし所詮は「幽霊」である。空白が埋まることはない。 〉 あ、それから白い髪の女が、アイスクリームをつつきながらくすりと笑っておりました。 〉 〉 〉38 砂漠と雨の日 〉 〉 〉 ちょっと休憩…… 〉 〉 〉 〉39 鋼鉄の戦神 〉 〉「戦神」という言葉に、どこか切なさというか、はかなさを感じる。“神”は無敵であるに違いない。しかし“神”にすがる人間は、切なくて、はかない。ましてや“神”であった戦艦が、引退するなんて。 〉 日本的な神は、物にも宿れば引退までするのかと思うと、どこか微笑ましい気もする。 〉 〉 〉※35 テロリストという職業選択 〉 〉 再三の感想追加です。あの感想では何が何やら、きっと分からなかったでしょう。 〉 〉 今一度読み返してみて、作中の「くだらない世界」という言葉が気になりました。つまり、“私は絶望しています”という意味なのだろうと思います。主人公が革命を成功させる前と後の心境は、ずいぶん変化していることが読み取れますが、“絶望”の質はおそらく何も変わっておらず、革命成功前はただそれを社会のせいにすることができたのに、革命を経て社会の頂点に登りつめたため、絶望そのものに向き合わざるをえなくなった、という違いに過ぎません。その救いの無い“絶望”は、ある意味で真実だと思います。この小説は現代の社会を意識した小説なのだと思いますが、そうであるならば、現代とはどのような時代なのかを今一度考えていただきたいと希望します。 〉 本当に、救いはどこにもないのでしょうか。
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