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本文: 〉予選投票締め切られましたね。 〉前期に続いて今期も感想ありがとうございます。 〉 〉「絵里→主人公」視点は面白そうですね、というわけで書いてみました。 〉といっても設定は変わっていないので、提案に沿えているかは微妙ですが。 〉 〉前期はひっかけみたいな話を投稿しちゃったので1002さんの提案に返事できなかったし、今期は今期で汚い話なので、そのフォローも兼ねまして。 〉 〉フォローになってればいいな。 〉 〉 〉 〉・腹の中 絵里ver 〉 〉 本命とキープ君の休日がバッティングしたので、その日は恵梨との約束が入っていたことにした。 〉 「ファミレス行こうよ」送ったメールに五分と待たず「うん」二文字の返事。断ったら家に乗り込むけどね。 〉 〉 〉「今日はデートじゃなかったの?」 〉 私がまだ食べてるうちから先制攻撃。慌てて飲み込んだからげっぷしちゃった。恥ずかしい。 〉「あんたこそどうなのよ」わざと口を開いて中を見せる。恵梨は露骨に表情を歪め、煙草に火をつけながら「別になんにもないよ」と目を逸らした。おいおい、口閉じろってつっこめよ。 〉 私のことが癇に障ったのか恵梨はしきりにジッポをかちゃかちゃ鳴らす。 〉「あんたジッポなんか使ってたっけ」 〉「気分」 〉 恵梨が伊藤を意識してることなんてみんな知ってる。隠すなんて、私、ちょっと悲しいな。 〉「ジッポといえば伊藤君」 〉 瞬間、恵梨の表情が凍りつく。取られちゃうのがよっぽど怖いとみえる。 〉「伊藤君かっこいいよね」 〉「そうかな。別に普通だよ」 〉 目を泳がせながら防衛線を張る恵梨。いじわるな気持ちが止め処なく湧き上がる。 〉「じゃあ構わないよね」 〉「構うってなにが?」 〉 声を上擦らせてとぼける恵梨。 〉「別に。気になるの?」 〉「気になる」 〉「伊藤君って付き合ってる人いるのかな」 〉 私はとどめとばかりに携帯を取り出して伊藤にメールを打つ。横を向いて目を逸らしていた恵梨が身を乗り出した拍子に、目尻を隠した髪が揺れ、左目から下にのびた傷痕が覗く。私がつけた傷だ。 〉「さあ。いるんじゃないかな」 〉 ――嘘。いてほしくなんかないくせに。 〉「いなくてもあんたじゃきっと無理よね。だって顔に傷あるもん」 〉 恵梨の大きな瞳がじわりとうるみ、私は視線から逃れるように肉を口に運んだ。 〉 〉 恵梨は本当のことを教えてくれない。 〉 恵梨は私を責めない。だから恵梨は私を許さない。 〉 恵梨を見るたび、あの傷は幼い独占欲のなれの果てだと思い知るんだ。 〉 恵梨なんか嫌いだ。 〉 〉 飲んでいたメロンソーダもなくなり手持ち無沙汰になったころ、呆然としていた恵梨は「飲み物持ってこようか?」と明るく言った。 〉「カプチーノ」 〉 うん、と微笑んで席を立つ恵梨。私メロンソーダ飲んでたんだよ。つっこんでよ。 〉 届いたメールは、お前に関係ないだろ、だって。あいつに彼女なんかいるわけない。 〉「伊藤君フリーだってさ」 〉 声が届いたのか、恵梨はこっちも見ずにふくらはぎを掻いた。私は恵梨のこういう仕草がたまらなく嫌いなのだ。 〉 〉 〉 〉〉 〉〉○腹の中 〉〉 〉〉昔から親友であるけれども、実際は都合よく利用されているような関係をやめられないでいる相手についての話だと読みました。 〉〉 〉〉いろいろと細かいところがリアルに描写されているなあ、と思いました。主人公が呼び出しのメールをもらったあと、 〉〉 〉〉それをすぐ削除して、 〉〉外行きの、ブラウスを羽織ってでる、 〉〉 〉〉というところなんか私は上手いなと思ってしまいます。 〉〉 〉〉読者としては、主人公→絵里 だけではなくて、絵里→主人公 もっというと 主人公←作者→絵里 という視点があればいいのにな、と私は思いました。一応、小さい頃からの友人であるならば、絵里も悪いだけの女ではないだろうし、ここを読む限りは絵里の悪いところばかりが目立っているけれども主人公だって、そこそこ嫌なやつなんじゃないか、と思えてしまうところもある。 〉〉 〉〉なので、そういった「負の連鎖」だけではなく、絵里の長所を(かろうじて二人が友情を保ってきた理由になりそうなもの)さりげなく、挿入してみると、奥行きが増すような気がします。 〉〉 〉〉それでは私ならば、と考えてみると、 〉〉 〉〉主人公はもっと美人な女という設定で、絵里は昔から気が強く主人公を支配する立場にあるけれども、絵里は美人ではなく、性格も悪いからモテない。主人公は(絵里が原因の)目元の傷があるので、絵里は主人公にだけは負けないという自負があるが、主人公は絵里の片思いの「伊藤君」からメールがくる。 〉〉 〉〉私はここで、主人公は絵里について傷のことでうらみ、普段の態度のことでもうらみを持ちながらも、伊藤君からのメールをこっそりとみることで、ふいに絵里を許してやれるような気がした、という展開ならばどうだろう、と思いました。
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