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まったく。ここに書き込むのは久しぶりです。必要にかられて。
感想です。少し前に書いた、公開する気のなかった感想をいくらか手直ししました。他の方の感想と被っているのもあります。

1 ラン・ホース・ライト アンデッド 515
オチものなんですかね。でも驚きはなかったです。もうちょっと書いてほしいと思いました。

2 人間観察 のい 681
最初から最後までべたーと露悪的なのがどうも。落差や盛り上がりがほしいと思いました。前半の人間観察のところを温かい柔らかな視線で書くとか、そういう工夫がほしかったです。あと「。」を打ってないのが気になります。

3 一滴の救い 葉っぱ 835
(へや)(はら)とかで少し冷めます。それなりに面白かったですが、個人的には画として印象に残るものがほしいと思いました。

4 『時を忘れた時計屋の話』 石川楡井 898
テクニカルだなと。前半の最後の三文にやや違和感を覚えました。この並びだと個人的は詩的すぎてちょっと。後半は違和感なくて、逆の形であったよりもずっといいとは思いますが、それでも前半の違和感がなければなと思いました。それなりに面白かったです。

5 明るい もてあまし 339
「一本文」は「一本分」でしょうか。悪くはなかったと思います。もうちょっと書いてほしいと思いました。

6 Bライン 蒼ノ下雷太郎 815
「雲という鳥籠」とか、そういう詩的な表現が苦手です。中盤後半で話が盛り上がってきたところに詩的なのがあるのはさほど気にならないのですが、最初からやられると幾分引きます。どうも「僕」は「いろいろなものをキレイだと感じる自分」が好きなんじゃないのかなと思いました。共感はできませんでした。

7 紺色のマフラー テツヤ 859
「・・・」は「……」で。「バカヤロー!もうお前とは会わないからな!」は唐突すぎる台詞だなと思いました。「朝の場面→モノローグ」だけなので、何だか途中で終わった印象を持ちました。「朝の場面→モノローグ→また朝の場面」だとか、もちろん他のパターンもありますが。「バカヤロー!」を含めてどうも大雑把な印象がありました。

8 水分茶屋 中川口物語-暮六つ 東 裕次郎 982
やたらと入っている空行が個人的には間延びしているように感じられて嫌なんですが。「。」を打ってたり打たなかったりが気になります。「お客様、逢魔が時に逢いましたか」のあとの客の台詞が妙に説明的だなと思いました。時代劇風なんだと言われればそうのかなとは思いますが。面白いと言われれば面白い気もしますが、まあ正直微妙です。
〉店の奥に行った。襖の陰に屈んでそこから客を盗み見た。みたいに処理したほうが分かりやすかったのでは、という箇所が散見した。
同意です。

9 道 笹舟 263
猪木しか思い浮かびませんでした。もうちょっと書いてほしいと思いました。演説されても何だ、困ります。

10 尋問 群青 489
希望を言えば、もっと不安にさせてほしかったです。それなりに面白かったです。

11 ある雨の日 水瑚 257
メモだなあと思いました。肉づけしてくれないと何とも。

12 観光地異聞 山麓 997
「ある雄猿が、人間の女の手からクッキーを奪い取ったことがあった。そのとき彼女のしていた指輪が外れて、地面に落ちた。」ここ、まとめてしまえばどうかなと思いました。「ある雄猿が、人間の女の手からクッキーを奪い取り、そのとき彼女のしていた指輪が外れて、地面に落ちたことがあった。」というふうに。猿を擬人化している気がして(「彼氏」とか)、それはあんまり話の内容からするとやらないほうがいい気がします。すごいオチだ。こういうオチは、まあ嫌いというわけでもないんですが、ただいくらか伏線のようなものを張ってほしくもありました。

13 お茶っ葉な女の子 ひろ 1000
良くも悪くも四コマ漫画的だなあと思いました。とても個人的には彼女をあっさり捨ててしまうところが何だか嫌です。悪くはないと思いますが、これもまた大雑把な感じがしました。

14 ひとり暮らし(She is a university student) 腹心 949
一段ごとに機械的に空行を入れているのがやっぱり気になります。「ユウキ=私」というのが最初わかりにくかったです。彼の名前かと思いました。ここまで引っ張っといてオチそれかい。というのはそんなに嫌いではないです。「冷静と情熱の間から」や「わたしには、おとなになるということが、わからない。」はやりすぎな気がしますが、好みかもしれません。それなりによかったです。

15 若き兵器の悩み さいたま わたる 1000
共存はできないということだったんだろう、と想像はできるのですが、実際にそうしたことがわかるように書いてほしくもありました。「彼」の内省部分をいくらか減らしてでも最後の日(?)の開発者の姿や態度を書いてほしかったです。それなりによかったと思います。

16 続く 鼻 449
妙にまとまっている気がしました。最後の「。」が抜けているのに「あーあ」と思いました。わざとだとしてもこれはどうだか。やはりもうちょっと書いてほしいですね。

17 叶わない願い 黒田皐月 1000
「直感」と書きすぎじゃないかなと思いました。「口火を切った」など、いくつかの表現が大袈裟な感じがしました。「何かの折に一度だけ会った顔立ちのはっきりした奥さんと主任の間には、ふたりの娘さんがいる。」奥さん情報が多くてアンバランスなので、先に「主任と奥さんの間にはふたりの娘さんがいる。」と書いておいて、そのあとで奥さんや娘さんの説明をしたほうがすっきりするのではないでしょうか。「乾いた雑巾をしぼるような」は何だか取ってつけたような印象を受けました。いろいろと過剰というか、いくつかの表現が派手すぎる感じがしました。

18 サードラブ 詩織 1000
話としてまとまっていたとは思いますが、最後がどうも。「涙」とか「愛」とかじゃなくて、もうちょっと静かに、何でもないことのように終わらせてほしかったです。というのは好みですかね。

19 傾斜 K 930
具体的なイメージが浮かばなかったので読むのがしんどかったです。「巨大な図表用紙に俯瞰される一つの小さな点」は日本語として合ってるのかなと思いました。俯瞰=高い所から見下ろし眺めること。「図表用紙が一つの点を見下ろしている」という意味になると思うんですが。「俯瞰される巨大な図表用紙に浮かぶ一つの小さな点」とか「巨大な図表用紙を俯瞰して認められる一つの小さな点」とか。「そのような按配にことが運んでいればよかった。」とまとめられても、何を書いているのかわからないので「何が?」と思います。そのあとにも具体的なイメージをさせてもらえない描写が続き、全体としてもわかりませんでした。と言ったら小馬鹿にされそうな雰囲気があります。それが何だか嫌でした。

20 セクシャルバイオレットNo.1 水樹ふびと 442
オチ物ということでいいんですよね。娘のパンツということで。まったくの好みだとは思いますが、これオチ物にしないで彼のフェティッシュな部分を延々と書き連ねてほしかったです。

21 二世帯住宅 中村 明 970
「何を言ってるんです。お父さん、ご苦労様でした」は実際に言われた台詞なのかと思いました。過去を語っている部分と現在を語っている部分の区切りがわかりにくかったです。それなりに楽しめましたが、正直普通の話だなあと。サラリーマン川柳のような。もうちょっと惹かれるようなところがほしかったです。

22 蒸しまんと粥 クマの子 1000
どう書けばいいのか難しいんですが、まあ正直に。長い一文を書こうとしているのはわかるのですが、ところどころ違和感を覚えました。いくつか挙げると、「洗面台へ戻ってみるも、」は、そのあとの文章から考えると「戻り、」か「戻ってから、」だと思いますし、「〜の朝食だけど、僕は食事を済ませ折り目の付いたスーツに着替えると、」は「〜の朝食を済ませ、僕は折り目の付いたスーツに着替えると(もしくは「着替えてから」)、」のほうがすっきりすると思います。「それに対してこのパジャマ姿を見せられる今や唯一の存在は、会社の岐路、僕が裸足と白いワンピースの上に墨の如く濡れた髪を下ろしていたのを見つけたのだった。」は何を書いているのか最初わかりませんでした。「それに対して」とあるのに前の文章と繋がっていない気がしますし、この文章自体もちょっとおかしくないですか。話の展開自体は悪くないと思いますが、希望を言えば、もう少しメイメイのエピソード(メイメイの魅力的な部分)を書いてほしかったです。

23 梅に猿 宇加谷 研一郎 1000
空行がどうも嫌です。それなりに面白かったですが、まあ何だか空々しくもありました。これも正直に言うと、いつもながらの気取った感じがどうしても合いませんでした。それは、作者の趣味だろうという文学文学した言葉であったり、連作であったり。ずっと前の感想にあった「もっとぎっちぎちのを読みたい」というのに自分も賛成です。

24 変態 シミズヒカリ 999
安定感があって安心して読めました。それなりに面白かったですが、最後はちょっと「えー?」と思いました。といっても、他の終わらせ方は思いつきませんが。

25 空間 ei 990
僕と彼と彼女の関係は何なんだろう、とこっちが考えなきゃいけないのがなんか嫌でした。ほのめかすくらいはしてほしかったです。文章は悪くないと思います。

26 嫌 わら 1000
ちゃんと鬱々とした雰囲気なのはよかったと思いますが、話に入っていきにくくもありました。読み終えて、こういう形のものはそこに行き着くしかないかなあと思いました。相対的にとても個人的な意見になるとは思いますが、登場人物の気持ちを揺らしてほしかったです。ずっとネガじゃなく、どこかでポジ方向に気持ちが動いてもよかった気がします。

27 ホーム・ホーム・ホームレス 暮林琴里 1000
「日本の一番真ん中」という情報には意味があるんでしょうか。「家に帰るのを勝手に拒み」はわざわざ書かなくていいんじゃないかなと思いました。「ひとりが嫌い」「妹の帰りが遅くなる」という情報で「電車を何本もわざと乗り過ごした」理由がわかるので。他にもここ省いても(省いたほうが)いいんじゃないかという部分がいくつかあるように思いました。言いたいことがありそうな様子なのにちゃんとこっちに伝わってこない、といったもどかしさがありました。

28 R fengshuang 718
三点リーダーは「……」にしてくれないものかと思います。何もなく終わった印象なんですが、何となく面白かったです。ガチャピンにRの文字は入っていませんよね。

29 フォークロア えぬじぃ 1000
綺麗に着地したように思います。小話というか落語というか。それなりによかったとは思いますが、ただこういうのテレビのお笑い企画にあったなあという印象が強いで何とも。

30 金子口輪社 qbc 1000
「つづく」と入れたくなりました。何となく面白かったような気はしますが、それは文体というかリズムが面白かったんじゃないかという気持ちもあり、そういうのもアリっちゃアリかなと自分の中の誰かが呟くものの、話の筋自体はあんまり好きじゃないんだよなあという微妙な曖昧な気分です。良くも悪くも芝居のようだと思いました。

31 青空(空白) euReka 989
どちらでもいいとは思いますが、「硬いナイフがグッと押し込まれていった感触だけが」は「硬いナイフをグッと押し込んでいった感触だけが」のほうがわかりやすいと思います。「…」は「……」に。良くも悪くも中二病だと思いました。彼が女を刺した背景などをほのめかしてほしかったです。

32 とある二月の昼下り 三毛猫 澪 1000
良くも悪くも少女漫画のワンシーンのようだと思いました。個人的には先輩に余裕がありすぎるのがどうも。まさしく少女漫画に出てくるデフォルトの「憧れの先輩」な感じがして。こういうベタベタな恋愛ものは守備範囲外なので面白かったかどうか判断しづらいのですが、悪くはなかったと思います。

もし予選で票を入れていたとすれば、『時を忘れた時計屋の話』、『変態』、『梅に猿』、『フォークロア』辺りからですが、まあ正直どれも消極的な票になりますね。
「行頭の一字空け」や「句読点」、「改行」などの作法は、守らないより守ってくれたほうが助かります。単純にそのほうが読みやすいので。

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