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あけましておめでとうございます。
今年が皆さんの飛躍の年になりますように。

1 死亡記事 ( 1000 ) アンデッド さん
もしかしたら「アンデッド」さんは「サウロン」によって誰かに殺されてしまったのかもしれない! なんてな。
そこはかとなさが良かった。死亡記事という形式で過剰な演出が抑えられるという効果もあったんじゃないだろうか。

2 ハッピーマート事件 ( 960 ) loooly さん
実はふりかけにするためだったんですよ!
会議室に入る前から一人称語り手が「会議室はまがうかたなき絶望で満たされていた。」というように内部の状況を描写できるというのは斬新だった。この段階で状況を知っているのは作者だけのはずで、こうなると作者の頭の中に足を踏み入れてしまったかのような妙な気持ちになる。

3 東京タワー ( 991 ) 暮林琴里 さん
「孤独になったときひとは、誰かを求めたくなる。」と言っておきながら弟を置いていくのはどうなんだろうかと思う。
「人は、私は、幸せになりたいだけなのだ。」といった人生への評論は、心がほっこりしました。

4 僕の天使 ( 991 ) のい さん
こういう甘やかな作品は好きです。とても皮肉ではなく。
ところでこういったように、「ガチャリ…受話器を置くと彼女が「ごめんね、辛いかもしれないけど、お父さんからの伝言伝えるね、「お前は生きろ、死ぬのは俺の歳越えてからにしろ」って…」」と擬音、地の分、台詞、と続けて書かれると文章がこちらに押し込まれてくるように感じられて仕方がない。未分化のままの世界をそのまま味わうという印象があって、これもひとつの技法だよなあとあらためて思った。

5 第75期投稿作品 ( 1000 ) くわず さん
前文、後の文でイメージを引きずっていくという形式の収穫は、「笑窪の様な小ぢんまりとしたカフェ」のいったところから、「狭い店内は中央に向かって急傾斜しており、客達は傾いたテーブルと椅子にしがみ付いて時間を過ごす。」というような非日常を抽出できたところではないのかと思う。

6 ミュージック ( 624 ) Chiro さん
人物の具体が不明瞭で、その音楽の躍動感も伝わってはこなかったけれども、これで問題ないような気もする。人物の背景を書き込むことは読者の共感を弾く事にも繋がってくるのではないのかという危惧もある。実はこれくらいの刈り込み具合がちょうど良いのではないのかなと思う。例えば今月の「第75期投稿作品」は技巧として面白いけれど共感は別にしない。みんなこういうことあるよねえ、というツールとしての役割はあると思う。
いずれにしろ新しい技巧と共感があれば問題ないけれど。

7 この部屋は埃がこげた匂いがするの ( 968 ) ヨシ子 さん
ほほえましいこと限りなかったのですが、なんだか物足りなく思いました。いちゃいちゃしたいなあ。飽きる心とかいらないですよね。

8 フォーエヴァー・ヤング ( 978 ) yasu さん
「DINKS」や「プールバー」といったマスコミ謹製の、茫洋とした世間をざっくりと切り取った言葉が個人的にちょう好きです。嘘くさくて。
登場する人物たちも居ないような居るような軽薄な存在で、これらが先程の言葉と一緒に語られると、目に見えている、いま感じている世界が幻のような錯覚に襲われます。

9 SILENT IN THE MORNING ( 937 ) しん太 さん
朝の商店街に対する感覚が奇妙だった。理解できなかったのだけど、不思議と興味深い。ホラーっぽいのかな。

10 Air-Complex ( 995 ) 腹心 さん
教育番組のようなテイストなのだけれども、実際は寝取られ話だし、その様子をメールで送ってくるのも意地が悪い。すごく仲が悪いんだなと思った。

11 花筏 ( 916 ) 志乃誠明 さん
「花筏」という言葉は初めて知りました。ただのゴミではないですかというところに、こういった言葉を充てるのは素敵です。
この「花筏」という言葉と作品の内容のリンクがもっと強烈に打ち出されていれば名と思いました。名。

12 ありがとう ( 986 ) 駿河聖 さん
思い出は大事だなと思いました。
この作品も少し物足りないなと感じました。自殺を踏みとどまるという話は、いつかどこかで見たような気がします。

13 梨葬 ( 1000 ) qbc さん
自分の作品。わかりづらいなあ。ちょう微温的。

14 指の夢 ( 1000 ) クマの子 さん
人物の居る空間の描写が少なく、状況が把握しづらかった。どこを書いてどこを書かないかという問題になるのだと思うのだけど、場所について例えば「刑務所のようなところ」という一言でも挿入すれば良かったのではと思った。
フェンス越しに絡めあわされる男女の指のイメージがとてもきれいだった。最後になにもできず待ち続けている男の姿も印象的。

15 夢 〜DREAM〜 ( 319 ) 田崎 貴貴 さん
あるある! と思いました。
時間が経つと書いたものを客観的に見てしまいますよね。

16 世界の死 ( 987 ) euReka さん
機械と対比して、蛇、リス、そして人間といった動物のイメージの交錯。それからタバコ、コンドームといったところで死のイメージになるのかもしれない。「お洒落なコンドームの箱に似た煙草ケース」というのが想像できなかったけれど、リスのエピソードなどがとても印象的だった。
機械が夢を見始めると、動物の世界が死に始めるというところで、安楽死の道具なのだろうか。

17 雪 ( 1000 ) わら さん
差し迫られた心情が息の短い文体に反映されていて読んでいて気持ちよかった。ところどころに入る文末の「だ」がすごく良い。
ただ、リズムが一定なので勢いだけでつるつると読み終えてしまったと思った。ヒバゴンを幻視したところは改行以外の方法があったのではないのかと思う。また、ヒバゴン幻視の前後でも呼吸は変わってくるのではないのかと思う。冒頭に幻視後が挿入されていることもあり、その心情の変化の前後で文体に変化があればなと思った。思いまくってますね。

18 擬装☆少女 千字一時物語42 ( 1000 ) 黒田皐月 さん
冒頭のところなど、状況説明や人物の行動などが混在していて若干不親切を感じた。
童話に無理矢理に女装を挿しこんだ効果か奇妙な味わいがあった。それとも女装がなんの説明もなく尋常なこととして表されているからだろうか。

19 積み木の空とウロボロス ( 627 ) 蒼ノ下雷太郎 さん
賽の河原?

20 私の夢を見る私 ( 792 ) 魅琴 さん
太陽に向かって!

21 1000字でわかる(ような気がする)日本の歴史 ( 1000 ) さいたま わたる さん
歴史パロディというものすごく難しいチャレンジをしたなと思いました。
ものすごく知識に振るか、ものすごく無知に振るかのどちらかなんだかなと。

22 クリスマスカロル ( 1000 ) 宇加谷 研一郎 さん
楽しげな文章が面白かったです。一方、なんというか、これは物語なんだぞという嘘まるだしの劇的な展開の話も読みたいなと思います。「あまりに恥ずかしくて女は我にかえった」ってかわいいなあ。

23 背中 ( 1000 ) K さん
背中が重いといったら夢十夜の三夜目がちょう面白いよなあと思い出しました。
「でんぐりがえし」のアイディアは良かったと思うのですが、文章全体がなんか重苦しく、盛り上がりに欠けたように思いました。メリハリが少ないというか。
「美佐は、楽しそうね、と言い、すこし間をおいて、怪我しないでね、と呟きふたたび眠ったようだった」ってかわいいなあ。

24 家族会議 ( 980 ) 心水 涼 さん
こう、もっと核心が鮮明になってくれたらなあと思いました。家族の会話の様子と犬の様子が面白いところなんだろうかと思ったのですが、そこがもっとばきんと決まっていたらなあと思いました。

25 古井戸で ( 920 ) エルグザード さん
繰り返しは怖いですね。

26 ミソスープの香り ( 1000 ) えぬじぃ さん
筒井康隆の小説で日本以外全部沈没というのがありましたよね。

27 森の中のゾンビちゃん ( 1000 ) 西直 さん
ゾンビちゃん切ないなあと思いました。たぶん詰め込み過ぎのせいかと邪推するのですが、文章に抑揚がないのが勿体ないなあと思いました。

28 ファズ ( 1000 ) るるるぶ☆どっぐちゃん さん
そのテンションの維持はドラゴンボールの連載時のごとく。

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