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ああ今月もやる気が出ない。やる気が出ないと揚げ足取りだけ適当にやって済ませたくなる。
それならば感想など書かなくても良さそうなものだ。しかしもう一度やめたら二度と帰れなさそうな気がして、やはりそれでも書いておこうとは思うのだ。
そうは言っても元から読むに堪えるようなことは書いていないのだから、読む側にしては気分が書かれただけのことかもしれない。
そんな感想。

#1 我等普遍の子供
 なぜ主人公がひとり取り残されたのかは問うてはいけないこととして、数の配分がこれで良かったのかと疑問に思った。加速度的に減少していく印象があったからだ。それから、盗賊一味の規模は不明だが、いきなり千人を動員したことが腑に落ちず、さらに千五百に追い出されたときに二百五十ぐらいにして、と述べたことに意味がない。二千七百だけが戦争に駆り出された理由も不明だが、これは屈強な者が選ばれただけかもしれない。ここまではけちをつけた程度として、最大の謎は冒頭に兄弟が五万いたとしておきながら最後に五万の弟が登場したことである。最初は五万の兄としておけば良かったのではないだろうか。
 見事なのは、統一しなければならない箇所を除いて、ひとつも同じ動詞を用いていないこと。

#2 事実だけを話そう。
 自然科学の法則でもない限り、気持ちが入りこまないことなどありえなかろう。「シャイな性格の大輝君は照れてしまった」は主人公の主観ではないのか。以下、同様なことはいくつも挙げられる。

#3 青春だらだら
 良いかなと思った表現は、「生きる為に〜夢の鞄だ」。少女漫画チックかなと思った。良くないかなと思った表現は、「お気に入りのぬいぐるみも家にいるなら必要なものだから」と「ちょっと不良の私たち」。駆け落ちするのに「家にいるなら」とは、実際は駆け落ちしないことの暗示なのだろうか。それから、どの辺りがちょっと不良なのか、わからない。あと、「僕らかけおちしよう」は宮沢賢治風だと思った。
 それ以前に、駆け落ちに現実味が感じられない。これも仕様なのだろうか。確か携帯電話から足はつくと思うのだが。

#4 ウサギとカメ
 決戦の日時を決めたのはウサギなのに、カメはよく平然としていられたものだと思う。今すぐに、と言われたらどうしただろうか。それから、カタツムリに抜かれるカメがこの細工で勝てるようにも思えない。
 非常に残酷な物語である。わざわざ誂えられた給水所で催眠薬を飲まされたということは、ウサギ以外の全員が共犯なのだろう。

#5 配給
 性的なものは無用。落ちから遠ざけるためとは言え、落ちにそぐわないものを用いてはいけないと思う。
 「運動場覇権争い」の表現は、それまでの書き方を受けたもので、良いと思う。

#6 自己責任
 なぜ青い服の男は急に消えたのか。「禁止されたらしたくなる」と語っているが、その禁止されたこととは何なのか。あまり描くと時空に歪みが生じてしまいそうだが、今のままでは雰囲気だけで、わからない部分が小さくないように思う。

#7 擬装☆少女 千字一時物語30
 思えば先月までは季節ネタのある時期だったのだな、と思う。これからどうしようと不安になっている。

#8 ROLLは何処へ消えた?
 パス。

#9 水たまり
 言葉とは何だったのかわからなくなるときがある、そんな気持ちを描いたものだと思う。
 「考えるのをやめるのは水たまりが無くならないから?」はその前と同じことを言っているのか、それとも混乱しているのか。私には読めなかった。

#10 お楽しみはこれからだ!
 登場人物は注釈がない限りみんな文学好きなのだろうか、と思うほどにそういう人物が多いと思う。悪いことではないのだが、私はついていけないときがある。
 眉カットの特技は、初めて知った意外な一面。

#11 小人レシピ
 「今更この快適な部屋を手放す気にはなれず」から「もう半年もしたら新しい部屋を探そうと思った」への推移は、必要ないのだろうか。そもそも、引越しにはお金がかかるものである。早いうちに管理者に苦情を言うなりするのが現実的ではなかろうか。
 小人については、肉の調達の仕方がそれであるのに、他の食材は人間のものからくすねてくるということの差がわからなかった。木の実でも草でも取ってくるべきではなかろうか。
 それから、最後の「ワシ鼻の彼と、つま先で視線が交差していた」の表現がどのような情景なのかがわからなかった。

#12 なんて憂鬱な日常!
 「何の変鉄もない」は正しくは変哲。と言うか、この一文がいらない。これが日常である必要がない。と思う。それから、横断歩道で足を止めたところと小説の主人公になりたいと思ったところの二箇所で、読点の置き方が違うのではないかと思った。
 本来の意味での感想は書きたくない。代わりに、「アタシはいかれたみたい」が赤信号と離れて独立した文であることと「見える景色は気持ちしか変わらない」のあたりで客観視点が入ってしまっていると思ったことを伝えておきたい。

#13 雲の上
 良くまとまっていると思う。
 そういうものを見たことない私が疑問に思ったことには、鎖が錆びて途中で切れてしまうことなど起こりうるだろうかということがある。それから、「まだ僕にまざまざと突きつけて来た」の表現には何を突きつけられたのだろうかと思ってしまった。

#14 愛と汚穢
 人は、個体の能力を遥かに超える力を手にしてしまった。その乖離が、多くの悲劇の始まりだった。そういう物語。
 だからあらゆる意味で良いとか悪いとか論じたくない。

#15 空が走る
 身体能力を補助する何かの開発らしいのだがもうひとつ、「空」と呼ばれている者が本当に空であって人間ではないような気が、少しだけした。風景をもう少し描けば、それが良いことかどうかはさて置いて、もっとそう思えたかもしれない。

#16 iCon
 イコン、アイコンとも発音される、聖像のこと。
 最近新しいものを見ていない気がするのは、ようやく私が見慣れてきたからだろうか。未だにひとつもわからないのだが。

#17 熱帯夜
 馬とか本とか、どうして巨大な物体が都合良くあるのかな、と思う。
 馬鹿げた展開で戦争の無慈悲さを訴えたいのだろうか。

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