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 便乗しまして、私の「好きな一文」です。
 何の意図もなく、単純に惹かれたところを抜き出してみました。



『夏の動物』

「お茶しませんか」

『世界一短い推理小説(千字ver)』

 そうだ、それに違いない。

『淑女渇望』

 パパとママと、レスマン。

『追い風』

 最近とにかく追い風が強い。

『ナレーション』

 しかし休憩することは、幾分個人的なお話になりますが不都合というものですよ、ええ。

『求ム、』

 出会いが悪かったような気がする。

『たけしの観照(3+9=?)』

 子供が玲子のところにやってきて「あげる」と言った。

『舌鼓』

 乗馬クラブの朝は早い。

『ひつじ雲』

 やがてパパと女は地平線の彼方にすとんと落ちてしまった。

『Corruption of the best becomes the worst』

 さて、眠ろうか。

『小あじの南蛮漬け』

 面白くない。

『らくだと全ての夢の果て』

(ありがたいことだ)

『アイ ウォント ユー』

 クラスメイト。

『擬装☆少女 千字一時物語24』

 何をするのか、と奴が首を傾げながら見ている前で、俺はそれをそっと元の場所に置いた。

『右手と左手の会話(ソナタ形式)』

 響きがとまらないよ。

『糞の礼』

 関さんは言う。

『海退』

 春先の黄ばんだ空が目に焼きついたせいか、補色である青の深まりを見せる現在の空が、濃度をさらに増して黒に近付いていくことを、なんとなく腑に落ちるように理解できるなら、海が遠ざかるより早く波打際に辿り着くべきだと結論を見出せる。

『仮面少女』

 元美大生として。

『車内の吐息』

「別にええで」

『オレンジ』

 煙草・酒。

『常連のお客様』

「ニャ〜、ニャ〜。」

『祖母の入院』

「なんで?」

『さあ、みんなで!』

「猿飛くん。今日の君は温泉に入れないどころか、見てご覧。大ピンチだ。今、脱衣所の方にも大量の悪の忍者が回り込んでいる。とても逃げられないよ。それに数えきれないこの人数。丸腰の君がどうはしゃいでも全員ぶっ飛ばすのは無理」

『シルク』

(虹)



 以下おまけ。これは長月さんに便乗したもの。

 お題「その日の午後二時、T.Nは何故あのように殺されたのだろうか。」


 五時限目ももうじき終わろうかというその時、英文が書かれた黒板から突如として深紅の腕が生えたのであった。黒板からぬるっと姿を現した三メーターほどのその鬼は、まず目の前の女教師の肩を掴んで持ち上げると、もう片方の手で腰の辺りを掴み、綿菓子を裂くようにゆっくりともいでいった。バケツを引っ繰り返したような大量の血が教壇を叩き、その音はすぐに生徒達の絶叫に取って代わった。鬼は女教師の上半身の断面に顔をくっつけてじゅぱじゅぱと中身を啜り、それが空になると今度は下半身を啜り、それも空になると二つになった女教師を生徒に向かって投げ、新たな獲物へと腕を伸ばしていった。教室のドアは開かなかった。窓も開かなかった。壊せなかったし、割ることも出来なかった。女子生徒達は何人かのグループで固まり、泣き、喚き、男子生徒達は脱出口を求めてドアや窓を叩き、或いは呆然としていた。鬼は勇敢にも椅子を使って反撃を試みて来た美男子の男子生徒を押さえ込むと女教師同様二つにもいで一旦その場に捨て、その生徒の名を叫んで近寄って来た見目麗しい女子生徒もやはりもいでみせ、その要領で食後のピーナッツの殻そっくりに上半身と下半身が分かれた生徒の山を築いていった。鬼は一仕事終えたというふうに座り込むと、それらをひとつひとつ手に取って喰い始めた。その合間には、刳り貫いた目玉をパズルみたいに違う生徒の眼窩に嵌め込んだり、男女の性器を抉り出してそれで性交させたりして、硝子を掻いたような笑い声をあげた。やがて腹が満たされた鬼はまず生き残りの何名かの目を刳り貫いて放置し、次に両肘から先をもいだ者を何名か作り、両膝から先をもいだ者をその他に作り、その帰結として生徒全員を、両目、両腕、両脚を失った奇形として誕生させた。その過程で鬼は傷口を丁寧に舐めて回り、そうする事で傷口を塞ぎ出血を止めておいた。鬼は一組の男女を片方ずつ手に持つと、そそり立つ男性器を血に濡れた女性器に出し入れし始めた。二つの奇形は呻き、他の奇形は妙に静まり返っていた。鬼はそうして全員を番わせると、不意に耳障りな音を出し、黒光りする三十センチ程の甲虫の大群を黒板から呼び寄せた。甲虫は激流となって教室を満たし、その強靭な顎でもって奇形の番い達を

 この文章が表示されていたパソコンが置かれた部屋で、T.Nは首を捩じ切られ食い散らかされた姿で発見される。

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