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どうしてそのような印象を持ったのかとの問い、その回答は、
〉 「子犬のワルツ」では、突然ピアノを弾くことによって先生である主人公の足元を危うくし、すとんと目の前に立つことによって二人の立ち居地を変えることを試みています。
〉 この作品では、先生と生徒という立ち位置から、22歳と17歳という立ち位置に主人公たちの場所を変えるというのがねらいでした。
〉 生徒の一人である戸川君は、先生である主人公にとって、髪を染めたり授業をろくに聞かなかったり、困った子供の一人であったのですが、意外に男だったというのを、ピアノを弾くあたりから主人公の気持ちを揺り動かして、突然目の前に立たせるということではっと気付くという演出にしています。
とは思えなかったから。より正確に言えば、思わなかったから。そして、
〉 最初から大人びた普通の生徒とはちょっと違うという印象を戸川君に持たせてしまうと、当初のテーマから外れてしまいますし、最後まで子供っぽいとうまくこの、何の変哲も無い普通の話に少しの変化もつけられないのではないか
と思ったから。
主人公の像は、以前にも申し上げたとおり、22歳とはこんなものなのかと疑問に思ったのだが、戸川君の像は、野心的な少年に見えていた。夢見ることが子供っぽいという固定概念のせいなのかもしれないが、大人っぽくは見えていなかった。だから立場が覆ったとは夢にも思わなかった。

では何が必要だったのか、正解ははわからない。
主人公と戸川君が相対している最後の場面にあとひとつふたつ、戸川君の表情か何かの描写があれば違っていたかもしれない。しかしこれはきっと、ライトノベル的な感想なのだろう。

実は「子犬のワルツ」なる曲を知らなかったとは、今さら言えない。

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