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しずかなこはんのしずかなこはんの
qbcさんに続きます。65期全感想。

1 ホームルームの時間 かんもりさん 997

 ホームルームというのはどうも言いつけ合い、毟り合いのような殺伐とした印象があったので、この物語を読んでほのぼのした。
 最後の段、数十年ぶりに思い出したと書かれているがその理由を推測させる情報はなく、ただ何となくという風に思われる。現実にはそうしてふと思い出すということは往々にしてあるのだが、小説としてはふと思い出すには思い出すだけの理由があって、それは主人公の内面に熾ったある変化を示唆し、そのことで語りに明確な意図が生まれる。
 時間経過からは、思い出したのはこの先生が亡くなったことに起因すると設定してよいと思われる。その余韻を残すなら「僕らがいたクラスのことも詰まって『いる』のだろうか」を「詰まって『いた』のだろうか」にするだけで違うと思う。
 しかし、それでもなお、この主人公は小学校のホームルームから数十年をかけて、この程度にしか魂や生死を見つめる経験がなかったのであろうか、という浅薄さを払拭することは難しい。ラストの段を膨らませるか、前段を膨らませるか、もう少し内面に踏み込んで思索してみたら、よい味わいのある作品を作ることができるのではないか。


2 思慮深い人 Et.wasさん 842

 オレの場合、というのがどの場合かは知る術もないが、地球最後の日なんて大概何もできないというのは賛成である。
 しかし、「思慮深い」というより、優柔不断なのである。こういう逡巡を乗り越えて自分だけの答えを見つけ出そうとするところに物語が生まれるのではないか。
 自分はやはりあれこれ迷うだけだろうから、こういう「地球最後の日の思考」という設定の物語は、まだ書けない。

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