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#1 てんとう虫

じっと動かないてんとう虫を見つけて、一人で意識をめぐらせているだけで、それ以上の広がりがない。あるいは、一人で意識をめぐらせるのはいいのだが、膨らみが大してないというか、物足りないというか…。
てんとう虫みたいなキレイな虫を見るとハッとして、しばらく見とれてしまうという気持ちは分かる気もするが。


#2 若人は我が物顔で森の中を練り歩く

(予選の感想と同じです)
話の内容よりも文体にこだわりがあるような書き方。あまり詳しくはないが、アメリカ文学っぽい文体が好きなのかなという気がした。そしてその「文体」を読まされているように感じられて、話の内容が頭に入りにくかった。
読んでいてあまりピンとくるものがないというのが正直な感想だが、文章はしっかりしていると思う。


#3 9448904390

数字には意味が有るようで無く、無いようで有るといったことを書きたかったのだろうか。そのテーマはいいとしても、文章としてよく分からない部分があるし(「4895358が78457384537を385498する間に3498549が下で」など)、もう少し書き方に工夫が必要ではないだろうか。あるいは、あえて分かりにくくしているということかもしれないが、途中で読む気を失ってしまう分かりにくさだと思う。
最後の「マイナンバー」も、取って付けたような感じがする。


#4 milk pan

ミルクパンはタイトルになっているし、話の中にも出てくるのだが、結局なぜミルクパンを前に押し出しているのかがよく分からなかった。
それから、後半に出てくる「私の時間と彼の時間は交わることなく進んでいく。」と「私は音を立てずに、そっとフローリングに足を踏み出す。時間を遅らせるみたいに。仕方なく歩んで行く。」という部分はなぜそうなのかという説明が不足している気がする。
内容については、恋人同士の日常を切り取ったような感じになっていてそこはいいと思う。しかし、全体的に少し言葉が足りないかなという気がする。


#5 電車にて

(予選の感想と同じです)
ネット空間と現実空間が混ざったような状態(あるいは感覚)を独特の描き方で表現している。かなり粗い書き方ではあるけれど、言葉の鮮度を落とさずに書こうとしたらこうなったということかもしれない。表現の仕方に新しさや可能性を感じる。
「僕の部屋をRTする。」も、なんだかかっこいい。


#6 五輪書

2020年に行われる東京オリンピックのマラソンをモチーフにしているのだろうか。
そして、オリンピック→五輪→五輪書→武蔵→決闘→戦争(第二次大戦、そういえば武蔵という戦艦もあった)というふうにイメージを連想させながら話を書いているのは理解できる。しかし、単にイメージの連想を行っただけで、特に、何らかの意味や着地点を見出しているようにも思えない。
または、「人間は本質的に戦わなければならないのだろうか」などと疑問を投げかけてはいるが、その疑問を投げっぱなしで、大して真剣に考えているようにも思えない。
全体的に、どこか煮え切らないような中途半端な印象。


#7 終わらない国

(予選の感想と同じです)
鬼と呼ばれる男と、悪魔と呼ばれる男がお互いの妻子を殺し合うという内容で、おそらくそれが繰り返される話。いわゆる〈憎しみの連鎖〉をテーマにするのはいいと思うし、その愚かさを伝えるのもいいと思う。しかし、単なる報復劇で話が閉じてしまっており、どこか物足りなさを感じてしまう。
とはいえ、物語の雰囲気はよく表現出来ていると思う。

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