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※言葉を少し訂正して再投稿しました。(『#10 坩堝』 の、「ゴチャゴチャ」を「読みづらさ」に訂正)

時間に余裕がある人は投票しましょう。
ただ作品を投稿するだけでは、この『短編』というサイトの面白さは分からないと思います。


#1 魔女の空

(予選の感想と同じです)
襲ってくる魔女と戦闘する話。ハードボイルドとファンタジーを足したような内容や書き方が面白い。短い文章を連続させることで、上手くリズム感を出している。
ただし、回りくどかったり、よく分からない表現も多い(「僕は轟音の後ろに座っている」「プリン体による不健康な細胞の活性化によって」「その夜を編みこんだ黒い羽を無邪気に見せびらかす」「赤い誘惑」)。言葉を工夫しようとしているのは分かるが、やりすぎるとくどくなってしまうと思う。それから、状況を描写しているだけで物語に広がりがないような気がする。そういう書き方もアリと言えばアリかもしれないが、少し物足りない。
あと、最後の「そのほっそりとした手を握る。手には指輪がはめられていた。それは僕が妻にプレゼントしたものだ。」というのは、つまり元妻が魔女になってしまったということなのか。よく分からない。


#2 おれのおじさん

平仮名が多いが、なんとなくこなれた感じの文章。なので文章は問題ないし、最後まですんなり読めてしまう。しかし、これと言ってひっかかるところもなく、起承転結の型通りに書いた話という印象を受ける。
後半に出てくる「枯れ草のようなにおい」と、最後の「おれは晩飯をつくらなくてはならなかった」という部分には、少し作家性を感じたが。


#3 第二幕

(予選の感想と同じです)
前半は映画かドラマの撮影の場面で、後半は映画やドラマとは違う現実の場面。しかし主人公は、どちらの場面でも基本的には観察をするだけである。とはいっても、後半はちょっとした事故を傍観している自分に対して主人公は罪悪感を覚えている様子なので、ただ観察をしているのとも違う。ただの観察者の立場から、事故の当事者や状況が発する引力のようなものによって心理的に引きずり込まれている。事故で倒れた人を助けられない主人公は情けない人物だとは思うが、そのことがかえって人間ぽさを表現している。
それからこの作品は、読者を物語の中に巻き込むような仕掛けになっていると思う。物語の中に出てくる主人公にとっては、前半はフィクションで後半は現実という構成になっているが、この物語を読んでいる読者にとってはどちらもフィクションでしかない。しかしこの物語を読み終えた後、読者は再び現実の世界に戻るのだから、本当は読者も主人公と同じ立場なのだということにふと気づかされてしまう。物語の主人公はフィクションと現実の切り替えが上手くできなかったようだが、果たして自分にはそれが上手くできるのかなと少し考えてしまった。
作品の出来については、読みやすくはあるが、解釈を読者に委ねている度合いが大きいという印象。もう少し読者との対話(読者がどう読むかという想像)が欲しいところ。しかし、読んでいて考えさせられる部分が多いのは自分的にはプラスだった。


#4 ルーティン人生

ママチャリや女上司やキーボードの下りは笑えるし、引き込まれるものがある。でも、なぜ途中で夢オチにしたのかがよく分からないし、最後は上手くまとめようとし過ぎている。主人公がもっと空回りしたその先にあるものを見せて欲しかった。


#5 ある夜

丁寧でキレイな文章だとは思うが、これは1000文字の短編小説というより、長編小説の一部を切り取ったものという印象。
内容については、前半は描写がひたすら続いているだけなので退屈。しかし後半に出てくる「露玉」の話は幻想的で美しいと思った。個人的には、この「露玉」の話をもっと広げて欲しかった。


#6 羊飼い

「嘘」に対する罪悪感は誰しも抱えているものであり、テーマとして取り上げるのはいいのだが、ただ「嘘」に飲み込まれていくだけの物語では物足りない。書くべきなのは、どうやって「嘘」を超えていくか(問題を解決していくか・見方を変えていくか)ということではないのか。
それから、タイトルがなぜ『羊飼い』なのかということが、本文からは読み取れない。


#7 闇と光と

主人公は自殺をしようとしていたのだろうか。でも、ただ暗い部屋で眠ったりしているだけなので自殺とも思えない。しかし「隣の部屋の住人」の言動を見ると、自殺しようとしている主人公に対して世話を焼いているということになってしまう。それに、これが自殺の話だとするなら――自殺というのは誰にも相談できないからこそやるものだと思うのだが――なぜ「隣の部屋の住人」がそのことを知っていたのかということがよく分からないし、解せない。
書き方によっては、それなりにいい話になるような気もするが、人物や状況の設定が大雑把すぎるのではないか。


#8 遠い西洋

前半(「ええ。西洋的で」まで)は、奇妙なやり取りや会話が面白いと思ったが、後半(「明治からどれほど過ぎたことだろう。」から)はほとんど意味のない展開であり、岩をもちあげるというなんとなく面白そうな話を入れただけという印象。
それと、地の文と会話文で、主人公の雰囲気がかなり違う気がする。地の文は多少理知的なのだが、会話文は少し馬鹿っぽいので、読んでいて違和感がある。


#10 坩堝

最近よく見る記号化の手法。
書いている方は、記号を操作するときの一種の気持ちよさがあるのかもしれないが、読む方はかなり読みづらい。あるいはその読みづらさにこそ意味があるということなのだろうが、そうであったとしても、やはり表現するときの工夫が足りない気がする。


#11 川向の喫茶店

(予選の感想と同じです)
前半(「国の保護下で暮らすことになった。」まで)は、AIが人間を試すなど、SF的な興味を引く話が描かれていて、個人的には好きだ。しかし後半は、社会から疎外された主人公の姿をただ描いているだけなのが不満。もう一つ展開が欲しいところ。

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