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 今期の皆様の作品の感想を書いてみました。
 基本的に個人の好みで物を言ってます。
 また誤読もよくやるタイプなので、この感想に対する反論や指摘は歓迎です。



1
12時すぎのシンデレラ
志崎 洋 さん

 いきなり横道に逸れた話をしますが、ハッピーエンドを二種類に分けると「シンデレラ」型と「青い鳥」型になると考えています。シンデレラは今までと違う自分に変わることで幸せを掴む話で、青い鳥は様々な体験を経た後に今までの自分の良さを再発見する話。
 昔はシンデレラ型が好まれましたが、今は青い鳥型が好まれる気がします。で、このお話は、シンデレラを青い鳥型に仕立て直したように思えました。
 そんなテーマはとても好みなのですが、話の構成の仕方にやや無理があり、全体的にぎこちない形になっている気がします。
 対話文→手紙→説明的独白、という三段階の流れは文字数と内容からしてちょっと厳しいのではないかと。どれか一つを削って二段階にした方がすっきりしたんじゃないかなと思いました。


2
まよなかのはなし
笑珈仁子 さん

 セリフのカギカッコ内の最後にも句点を打つところが、古い小説を思い出させました。段落一字下げしないのはネット小説だと珍しくもないですが、これはなんか新鮮です。
 この作品のテーマは凄い惹かれました。とくに「その“幸福”が僕達に何かをもたらす事はないんだ。」のあたりがたまらなく好きです。
 しかし全体的になんかちょっと惜しいという気分になります。状況や背景の描写がもっと欲しいです。あるいは完全にそこらへんを無くしてただ会話だけでも良かった。
 ここらへんは個人的好みに左右されるでしょうが、私はとても惜しいと感じました。


3
Good-bye
聖華 さん

 さっき珍しいといった気もしましたが、なんかまた段落一字下げなしでセリフカッコ最後に句点ありですね。……流行ってます?
 話の流れが急すぎるというか、途中を思いっきりすっ飛ばしているみたいで、読んでいてなんだかついていけなかったのが残念です。ドラマの第一話と最終話だけまとめましたといった感じで。
 ドラマで思い出しましたが、この作品は「世界の中心で愛を叫ぶ」という作品となにか関連付けたものなのでしょうか?
 私はそれをさっぱり見てないのですが、CMなどでチラッとみた限りでは、たしか死んだ恋人の遺灰をエアーズロックで撒くようなシーンがあったような気がします。いや、見てないので自信ないですが。


4
残暑
イエイツ さん

 野球物ですね。大変個人的な趣味で物を言って申し訳ないですが、野球物の面白さがわかりません。漫画雑誌でも野球漫画は飛ばして読んじゃうタイプです。
 キャッチボールとかも好きじゃないので、読んでてうまく共感できませんでした。私としては、主人公の気持ちが変わっていく部分にもっと説明を費やして欲しいのですが、実際野球をやっている人からすると蛇足になるでしょうか?


5
「クイズ棟方の統領は提灯鼻」
5or6 さん

 とても完成度の高い作品。どこが足りないとかそういう批評じみたことを一切言わせない感じです。
 ですが正直言いまして、面白いと思える部分がありませんでした。私の好みとまったく重なりませんでした。まともな感想が書けなくてすみません。


6

ほろほろ さん

 可愛がっていた動物が死んで悲しいって話はかなり王道なので、差別化が大事だと考えます。とくに千文字という短編では感情移入させるのに字数が少ないので、個性的なひとひねりを加える必要があるんじゃないでしょうか。
 そういう意味では、この作品はストレートすぎるので読んでて既視感で一杯になり、物語に没入できないのが残念です。


7
肉の日
香椎むく さん

 「おい、今から食われるのに、なに笑ってやがる」というところが、物凄く頷けてよかったです。
 でもよどみなくさらさらと物語が進むのはいいですが、前述の肝の部分がオチに使われあっさり終わっちゃうところが物足りませんでした。
 食われるのににこにこ笑うという、そんな不気味さを中心にもっと話が発展してもよかったなあと。

8
死の舞踏
三浦 さん

 エミールというとどうもヘッセの「少年の日の思い出」を連想しちゃいますね。次点はBf109E。
 比喩が多いのが印象的。
 さりげないけどもしかして超能力者バトル物なのか。
 読み手が物語の外まで楽しく容易に想像を広げていけるのは、とてもよい小説だと思います。


9
熱闘関ヶ原
さいたま わたる さん

 さいたまわたるさんが悪いわけじゃないんですが、ついこの前に「今年のゴールデングラ武将」(http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51495563.html)というネタを見たばっかりなので、新鮮味を感じられず楽しむことが出来ませんでした。
 9月15日は関が原の戦いがあった日ですね。サラリーマンが野球実況を聞くという形式があまり面白さに寄与してないように思えます。野球+戦国というネタのみに専念して、野球ネタの方ももっと加えた方がよかったかなあと。


10
エルの終末
アンデッド さん

これ、とてもいいです。エルのキャラがわかりやすく明確に描写されてて、そして陳腐にならないギリギリのところに留まっている。主人公に好感が持てる。
過去を読んでいるうちに死への憧れが湧いてきたのか、それともなにも理解していない気まぐれか、はっきりさせないあたりも好きです。
ところで私もサウンドホライズン連想しましたが、「エルの○○」が収録されている「Elysion」より、「Thanatos」の方がイメージにあってるなあ。

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