仮掲示板

69期感想13〜17

 すみません、ずいぶんと間が空いてしまいました。


雲の上 bear's Sonさん

 すごくよくまとまっていると思います。僕の感性の問題だと思いますが、具体的には言えないけれどなんとなく共感するものもあり、たった一文字の誤字がものすごくもったいないと思えるほどに好きな作品です。正直誤字くらい気にもならない作品が今期は散見されましたが、これは一文字でも惜しい。
 ケンは何かを象徴しているのでしょうが、それが何なのかまたもなんとなーく理解できる気はしていますが、具体的にはわかりません。そのなんとなーく僕に沁み入ってくる具合がまた好きなのですが。


愛と汚穢 qbcさん

 ここ一年くらいqbcさんの作品は発表があるとまず読むので、この作品は初めて読んでからけっこう経ちます。けどわかりません。だいたいのところは何度も読んで理解した気でいるのですが合っている自信はないです。いやそこに何が書かれているかというのは読者が各々判断すればいいと思うのですが、作者に説明してほしいなと、理解したいなと思わせる何かがあるように思われます。
 程度の落ちる話だと思うのですが、骨折への憧れというか、怪我への憧れ。ギブス巻いて学校行って、見られたい心配されたいというのは中学高校時の僕に限ったことではなくわりとみんな思うことだと知って少し安心しました。今でもたまに思うことなのですけれど、さすがに義足はこわいです。


空が走る (あ)さん

 僕は南国で育ちましたが、「ジャスコへ直進40km」みたいな看板は見たことがあります。そんくらいのド田舎にもなると空(sky的な意味で)が広くて、雨上がりで低く雲が流れている時なんかは「空が屈伸運動をしている」という表現がしっくり来るように思えます。なので最初「空」が人名だと理解するまで少々かかりました。まあ「照明のついた看板の下で」と直前にあるので明らかにおかしいのですが。今さらながら自分の初読の荒さに愕然とします。
 読み終えるともしかしたら「空」は人名じゃなくてsky的な意味の空か、他のsky的な意味の何かのような気もしました。
 話者は何を心配しているのでしょうか。実験の成果以上のことを、ひょっとすれば空が死んでしまうんじゃないかくらいのことを心配しているようにも思えました。


iCon るるるぶ☆どっぐちゃんさん

 目眩く言葉たちが僕に見せてくれた場面というか風景は、僕にとっては素敵だと思うし好きな光景だったので、僕はとても楽しく読めました。何が書いてあるのか、何が書きたいのかはやっぱりよくわかりませんでしたが。
 「虹の設計図」という一言だけで、僕は打ちのめされるような衝撃を感じました。まだなんとなくのうみそが重たい気がします。


熱帯夜 三浦さん

 吉田戦車の「甘えんじゃねぇよ!」という漫画があるのですが、それに出てくる次女のまゆみを思い出しました。普通の女の子まゆみは実は超人の娘で、超人に変身する能力を持っているわけです。最近読み返したこともあって、頭の中で千江美のビジュアルが超人化したまゆみになってしまい、緊張感も何もない印象になってしまいました。と勝手な僕の脳内をお見せしたいわけではなく、一般的でない対象を書こうとすると相手に伝えるのってけっこう難しいんだなと思った次第です。
 全部が全部千江美の夢だと僕は思いましたがどうなのでしょう。そう読むと「熱帯夜」というタイトルが僕にはすごくしっくり来るように思えるのですが。


 おわりです。愚にも付かないことをだらだら述べただけの全感想でしたが、しっかり作品と向き合うにあたって感想を一度文字にしてみるというのはけっこう必要な作業だと思ったのでやってみました。自分に何かしらの義務を設けないと、怠け者の僕は全作品を本気になって読むこともなさそうだったので。
 次回以降全感想を書くことがあったら、もっとシンプルに書きたいなと思います。

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