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第200期 全感想

久しぶりに全感想を書きます。小説の書き手として参加しているものの、僕は小説を「読む」ことが得意ではなく、感想を書きながら精読しないと、読み解けないと思ったためです。その割には雑な文章となっているような気もしますが……以下、感想です。

#1 200 (八海宵一さん)
大縄跳びのギネス記録が何回なのか気になった。長い縄を使って全員が一斉に飛ぶ場合と、短い縄で立て続けに飛ぶ場合とがあるようだ。この作品は「全員が倒れこんだ」とあるので前者か。そう考えてみると200回はすごい。そして短編200期も、ギネスではなくとも誇れる記録だ。

#2 鮎 (わらさん)
「玖珠川」のような具体的な地名が入ると、小説はぐっと良くなる(個人の感想です)。ゆえに書き出しから作品には好印象を持った。

#3 My name is Matt Nelson. I'm from Atlanta, Georgia, USA (テックスローさん)
「クラブ」や「誰もいない神社」がどんな町にあるのか、たとえば米軍基地のある町なのか、マットはなぜこの町へ来たのか、という説明が欲しいような気もしたし、いや、説明的でなく断片的に書いていることが、この作品の良さなのかもしれないとも思った。

#4 サトゥルヌス (三浦さん)
「私が知らない、私を知らない土地を目指した」の一文が良かった。タイトルについては知識がなかったため、ウィキペディア「サートゥルヌス」を読んで、なるほど、右手に鎌、と思った。

#5 地平線の向こうでとびきり甘いケーキを焼こう (彼岸堂さん)
「思い起こされるのはかつての上司の顔ばかり」。これはよく分かる気がする。会社に勤めながら小説を書くのは難しいですよね。

#6 そこまでドライブ (ウワノソラ。さん)
ナビを操作する指の描写や、会話の楽しそうな感じが良かった。

#7 沼 (志菩龍彦さん)
山の中腹、暗い森の中にある沼、というモチーフは大好きです。禁足地だとは思うのだけど、僕は散歩に行きたくなります。ただし数億年前から沼が存在したという設定は、やや無理があるかなと(地理学科にいた人間の細かすぎる感想です)。ウィキペディア「古代湖」が参考になります。

#8 だから一緒に (わがまま娘さん)
ゲームに詳しい友人が、実はゲームが下手だったという部分が良かった。全体的に「って。」の多用がやや気になりました。実際の会話であれば問題ないのだけど、小説の場合には、文意が曖昧になるように思います。

#9 海から海へ
良いタイトルだなー(自画自賛)。

#10 迷いネコみるきー (euRekaさん)
猫が好きな季節や嫌いな季節について語る部分が良かった。秋刀魚はともかく秋ナスを猫を食べるのだろうか。

#11 C'est tout (とむOKさん)
映画のワンシーンだなと思う。このくらい細密な情景描写を、僕も書けるようになりたい。

#12 急いでる (ハギワラシンジさん)
「プログラミングがしたいんだ」。それならChromeよりFirefoxがおすすめです(Firefoxユーザーの感想です)。

#13 スキップ、スキップ (たなかなつみさん)
これは読み手によって解釈が分かれそう(ゆえに作者の意図ともまた異なると)思うのだけど、僕の捉え方は「影絵芝居」だった。

#14 君の記憶を見せて (塩むすびさん)
冒頭の重苦しさを「星屑が墓と首輪に降り注ぎ」で反転させる技量が素晴らしい。

#15 唾とばしちゅる (qbcさん)
国家による結婚相談所はよく見かけるモチーフだけれど、「従順であることが、受給資格の必須条件」というのは新しいなと思った。それにしても、ひどいタイトルだなー(遠慮なく言ってしまう)。

#16 そこに怪物はいる (世論以明日文句さん)
エメラルドゴキブリバチという昆虫は、捕食対象の頭部に毒を注入して、意のままに操るのだけど、そういう話だろうか。

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