6 大逆循環紙芝居 卒業証書授与式 笹帽子 1000
笹帽子さんの小説はもうずっと読んでて、人生の中で最も濃いであろう期間の作品が読めるのは読者として幸いな事であって、そしてまた都度感じるのが、物語るにある一定のリアリティがちょっと足りないかなと感じていたんだけど、こういう表現方法を選んでしかる後にくる何かを読める時が来るんだろうなとひそかににやにやしています。
7 死神様だ~ ねむ亭三 849
落語のパロディかしらね。あの落語の最後の語りってすごいですよね。最後のシーンの息詰まりおかしい感じをあの舞台に正座してるだけで聞かせるってすごいなと思っています。あれくらいの緊張感と弛緩があればよいのになと思いました。
8 十四歳 村上鉄心 733
割とよくあるというか、あえて小説にするほど面白くはないかなと思いました。
「十三歳」という作品が前にあったでしょう?
ああいう感じに仕立てちゃったほうが作品として面白いと思うんだけど。直截的に表現しちゃったらなんていうの、十四歳付近の雰囲気が簡単に説明されすぎると思いました。もっと混沌だよねあの年代。
9 茶柱 八海宵一 1000
当たり障りなく進んでいくんだけど、私は八海さんにはもっと空気感が分かるようなそんな小説を書いてほしいなと思っています。一番最初の作品のインパクトがすごいんですよねとにかく。未読の方は是非。「冬が溶けるとき」ですよ、すごいよ。
因みにこの作品の中で読者を立ち止まらせちゃうのは「茶柱=カニ。湯飲みの中に浮いているのは、カニである。嘘である。」の一文かと思います。これは邪魔な一文だと思いました。
10 うたかた 三浦 1000
えー!すごい。これは優勝でしょうよ。ここまで読んだ中では断トツでしょうよ。
千字とは思えない読後感ですよ本当に。
すごいなあ。最後の着地点も大好きです。
あまりにも感激したんで今日はここまでにしときますがまだだらだらと続きます。