仮掲示板

Re*4:第88期 5「熱いキスで終わるくだらないハリウッド映画を観たい。すごく観たい」の感想

ということで真夜中直前の零下のなか歩いている。彼女の手袋は毛糸のふかふかで、おれの右手は素手だがふかふかに包まれてかなりぬくい。もうすぐクリスマスが近いがための素手アピールなのだが、これはこれで、ひと冬越してしまえそうなほどに満足、じゃなくて満手か。まんて。語感がえろいな。いや、満足=まんぞくの法則でいくと、まんじゅか。えろいのはおれだった。

 今朝から降り続いてる雪はもっさもっさと積もり積もって、その上、道往く人々に踏み固められかっちかちの氷一歩手前であり、ひどく滑る。スニーカーのおれは無様に転ばないようアシモみたく歩く。
「アシモ」と彼女は笑う。
 彼女にわかってもらえておれは嬉しい。しかしアシモ疲れ。こんな歩き方ムーンウォーク以来とおれは思う。
 人は悲しいくらい滑るいきもの。

「わたし、車の免許とるね」
「それ去年も言ってた」
「来年はもう言わない」
 来年はもう、とか、深読みしたら悲しくなるので、しない。
 気を取り直して隣を見れば決意の横顔である。そうだ、おれは彼女の横顔が好きなのだ。横から見ると睫毛がめちゃめちゃ長いのがよくわかる。雪が乗っかっている。「おれは歩くの好きだよ」

そう?。

と言われたらこれ以上二の句につまってしまう。

素直に君と歩く事が好きと表明できない。

もっととおくまでいっしょにいけたらねえうれしくてそれだ


そんな気持ちを知ってか知らずか

カマトトイケズ


ずっといっしょ はずっといっしょにはいられない だし


人は悲しいくらい滑る生き物

ドラフト らいくあローりんぐ どらふてぃんぐ

結局滑らない話でなくドリフの大爆笑を借りて


一緒に滑ろう

え?

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