第95期 #11
手を合わせ醤油を引き寄せる。 俺は上機嫌で茶碗の角に卵をぶつけた。 湯気の立つ飯の上に落とされたのは… 形作られる前の雛。 膜の張った濁った目が俺を睨み、白米の上でゼリー状の体はほどけ、嘴が滑り落ちていった。