第77期 #9
一人、進むこの道を俺はなんと呼ぶのか知らない。一人、進むこの先に何も無いのは知っている。その道にいつしか、一人、俺と共に歩む影が増え、また、一人。そしてまた一人。いつしか、俺の周りに人は集まって。俺は後ろを振り向きながら歩いていた。
前見てなきゃ、転んじゃうよと言われたが、大丈夫。前に崖があるのなら、君たちが教えてくれるだろう?俺が転んでしまったら立たせに来てくれるだろう?自意識過剰だなんて言わないで。
俺はそう、信じているんだ。皆で、進むこの道を俺はなんと呼ぶのか知らない。でも、皆で進むこの先に、何かがあるのは知っている。