第68期 #8

あの娘になりたい

今日も昨日も一昨日送信したメールの返事が来ない。
数ヶ月前からずっとこう。とても惨めになる。
今じゃ頻繁にこちらからコンタクトを取りに行くことさえ尻込みして、私は彼のブログを読みに行く。


 あの子が貴方の日々に彩りを添えるようになってからずっとこうだ
相変わらずブログではあの子と貴方のメモリーが綴られている。
本当ならばあの子のポジションに私がいる筈だったのに。



・・・ねぇ、私はなれるならあの子になりたい
私もあの子みたいにあなたに愛おしく想われたい。
彼が好き。まだ好き。とても好き。ずっとずっと嫌いになれない。
だけど彼は私じゃなく、あの子をずっと見てる。

だから、できるなら、私はあの子になりたい。あの子になって彼をうんと愛してあげたい。
でもあの子には私はなれない 根本的に違う。


 "素敵な性格" "純粋な心" "抜群のスタイル" "美しい肌" "愛くるしい笑顔"
ああ。私はなれない。どんなにがんばったって50%すら私はあの子にはなれない!悔しい。悲しい。


 ねぇ早くあの子じゃなくて私がまだ とても君を見ていることに気づいてよ。すきなの、すきなの。とってもすきだから。








(・・・)


(・・・。)


(・・・ああ・・・本当に。ね、君はこの愛らしいだけの美少女アニメキャラクターのどこがいいっていうの)



Copyright © 2008 藤袴 / 編集: 短編