第68期 #1

自動筆記

 大体サァー? もうワケわかんなァーい。アタイもうワケわかんなァーい。もきゅーうぎゅーって感じー? 殿下ァー、クシャナ殿下ァー、小生もうダメであります! 殿下の、殿下の、殿下ァァアアーー。私の死が其処におります! イエ殿下、此処です、この咳き込み過ぎてズキンズキンと痛むこの胸に、であります。殿下ならば殿下ならば……殿下、どうしてでしょう……どうして? 殿下、殿下の巣穴に裸足で踏み込むのはアリですか? ……いや、殿下、あ、ナ、ナウシカ殿! オデュッセウスはどうされた! ナニ!? ……ほうほう、ナニ、セイレーンに……そうでござったか。あいやソレはご愁傷サマ! さぁ……うっ、急に腐界の毒が! じんこーこきゅーしてもらわないと死ぬー! 母さん……助けて母さん……東京都新宿区新宿……映画の中の母でさえ殺せない私とは一体何なのだ……? ……母さん……鳥が囀り海が漣なのは世界が終わった事を知らないからかな? だからさ、本能は壊れてんの。知らない? じゃないとこんなに多種多様にならんの。感情と本能が炎を纏った剣でチャンチャンバラバラ丁丁発止のバッコンバッコン! なんでだ! 何故そのように考えるのだ! ……あ、セイバー? 今一寸手が離せないから後でね。何故! ……だから、えっ? いいの? マジで? ぐへ……本当に? リボムでグルグル? えーっ、それはサァ……ヘヘ……困ったナァ、セイバーのは凄い摩擦係数だからなぁ……熱エネルギーとか30万km/sとかでもう光速だからなあ。やめて、あっ、や、やめ……やめて…殿下、用意が整いました。で、殿下! そんな! お、お召し物を! キャー、す、すげぇ…、お、お止め下さい! ああっ! えっ!? マジかよコレ……うわぁ…そうなってそうなのか……うはー、存在論的にね、あいや、存在的にだね、この便所は用を、用をだよ、コホン、なさなくなったのであるな。ではp.32を開いて。ハイ、そのおどろおどろしい巨塔は私を惹きつけた。入ると同時に内面が見透かされるような感触を覚え、私は不安だった。まるで空に落ちてゆくような、微かな浮遊感がある。然し階段を登るにつれ翼が生えたようになり、いつしか私は恍惚感さえ覚えていた。なんだろうこの気持ち。不思議だわ。でも……ああっ、そう! そうなの! イエス、イエスよ! イエス! とんでもないくらいにイエスだわ! サナバビーッチ!



Copyright © 2008 秋好夕霧 / 編集: 短編