第62期 #1
この森の中に一匹の大きなクモがいました。大きなクモはその大きな体で糸を吐き大きな巣を作って獲物を捕っていました。しかし、そんなある日、クモはもっと大きな獲物がいるところは無いのかなぁと悩んでいました。体が大きかったクモは周りの獲物では満足できませんでした。しかしそこは頭のいいクモですからすぐ思いつきました「この地球は海が7割、陸が3割だ。大きな海に行けばもっと大きな獲物がいるぞ」クモは海に行くことに決めました。
クモは浜辺にやってきました。しかしクモですから海は苦手です。どうしよう、どうしようと悩みながら浜辺を行ったりきたり。そのうちとうとう横にしか動けなくなってしまいました。手も頭を抱えて悩んでいたのでばんざいしか出来なくなってしまい、頭を抱えすぎて手がはさみになってしまいました。クモはおなかがへったので獲物を捕まえるために糸を吐こうとしましたが、口から出てくるのは泡だけです。クモはカニになってしまいました。これでは獲物が捕まえられません。しかし、カニになっても足はあいかわらず8本です。
どうしようどうしようと考えていると、そこは頭のいいカニですからはさみになった手を使って海の中にいる魚を捕まえようとしました。カニはどんどん獲物を捕まえるのが上手になってもっと大きな魚を捕まえるためにもっと海の深くまで行ってみようと考えました。カニはどんどんもぐっていきました。潜っていくと海の水圧で甲羅が割れてどんどんはがれていってしまいました。甲羅がはがれたカニはそれでも獲物を目指して海の底にもぐっていきました。ついにカニは海の一番底にたどり着きました。甲羅が割れて筋肉だけになってその筋肉も水圧で丸く小さくなって、だけどカニはがんばりました。しかし、海の底には獲物が一匹もいませんでした。カニは悲して悔しくて海の底から一気に水面まで走りました。
すると水面についたカニは今まで水圧で小さくなっていたことを思い出しました。すると水圧から開放されてカニの体は見る見るうちにふくらんで風船のようになってしまいました。今まで小さかったのでいきなり大きくなってカニは真っ赤になってしまいました。カニは気持ち悪かったので泡を吹いてしまいました。しかし泡が真っ黒です。カニはタコになってしまいました。こんなに姿が変わってしまったのに足だけは8本のままでした。タコの足が8本なのはそんな話しがあったから。