第285期 #2

秘密クラブ

 秘密クラブに入るためには、自分の秘密を告白しなければならない。
「このクラブは学校の部活動として正式に認められた活動です。あなたの秘密は部員に共有されますが、外部に漏れることは決してありません」
 私はそんなことが書かれた秘密クラブのチラシを手にしながら、旧校舎の片隅にある古びた部室のドアを叩いた。
 するといきなりドアが開いて、頭から血を流している美しい男子生徒が現れた。
「今戦争中なんだけど、入部希望の女の子?」
 私は反射的にドアを閉めようとしたが、その瞬間に爆発音がしてドアごと吹き飛ばされた。
 しばらくして目を覚ますと、私はヨーロッパの古いお屋敷のようなやたらと装飾が多い部屋の中にいて、ここはどこですかと質問すると、秘密クラブの部室さと頭に包帯を巻いた男子生徒は答えた。
「驚かせちゃってごめんね。部室内戦争はとりあえす停戦したから」

 次の日、私が学校から帰ろうとしていたら二人の美しい男子生徒に両腕を掴まれ、昨日さんざんな目にあった旧校舎の部室へ連れて行かれた。
 部室のドアが開くと、昨日と同じヨーロッパ風の部屋が現れて美しい男子生徒と美しい女子生徒が左右に分かれて並んでいた。
「ようこそ、秘密クラブへ!」
 長い髪が綺麗な女子生徒が前に出てきて、わたしが部長ですと言って私と握手をした。
「われわれ秘密クラブの部員はあなたの入部を歓迎します。さあ、この入部届にサインを」
 いやあ、昨日は軽い気持ちで見学に来ただけで……自分はあなたたちみたいに全然美しくないし、戦争もちょっと……。
「秘密クラブは秘密を共有することが目的ですし、あなたは十分に可愛いじゃありませんか。まあこの部では、何を秘密とするかの基準をめぐって昨日のような戦争が起こってしまうこともあるのよ」
 じゃあ、私の秘密もダメな場合があると?
「いえ、どんな秘密でもその人にとっての秘密は最大限に尊重されるべきです」
 入部するかどうかは別にして、秘密を守ってくれるなら私話をします。
「ええ、お聞きましょう」
 私の秘密は、お父さんが宇宙人だということです。
「へ?」
 私には物体を動かしたり破壊したりする宇宙人の能力があって、小さい頃、母の故郷にある山を消滅させたことがあります。
「ま、まあそれも秘密と言えば秘密ですが……その、あなたには超能力クラブのほうが……」
「きっと彼女は超能力を使いたくないから秘密クラブのドアを叩いたのですよ、部長」



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