第274期 #5
星が流れるのを見た。見つけた。星形の、そう、五つの頭を持つあのお星様だ。
砂漠をずいぶん走った。寒い。砂漠は夜、寒い。頭でわかっていても、体が知っていても、なぜだか温かい服に着替えるのを忘れてしまう。
あった。頭の三つを砂の中に隠して、あった。
きらきら、きらきら、ぽろり、ぽろり、さらさら、さらさら……
星屑が、それ自体が星のように輝く屑が、お星様から次から次へと落ちていく。
きらきら、きらきら、ぽろり、ぽろり、さらさら、さらさら……
そうか、これは一緒なんだ。わたしの頭の上、この星空から落ちるお星様と。
星屑が砂の上に落ちて、砂と星屑は形も色も似ていて、すぐに区別がつかなくなる。
あら。
お星様の砂から顔を出している頭の一つ、その下にいるのは……
わたしだ。
ここにいたのか。さがしたよ。
星屑が、小さなわたしの頭上に降り注ぐ。
そうだ。踊るのに邪魔なんだ、温かい服は。
きらきら、きらきら、ぽろり、ぽろり、さらさら、さらさら……
踊り疲れて、わたしも、わたしも、眠って、
大きなお星様、小さなお星様、
大きなわたし、小さなわたし、
星が流れるのを見たんだ。見つけたんだ。私を。