第253期 #2

宝くじ一等賞

俺の親父は宝くじを買う習慣がある。毎週必ず宝くじを買う。その宝くじは週に3回売っているので、親父は週に3回宝くじ屋に通っている。
ある日、家で親父と会話。
俺「ところで、宝くじが当たったことはあるの」
親父「ちっちゃい賞金は結構あったよ」
俺「それはそろそろデカいやつ来るじゃない?」
親父「そうなるといいね」
俺「もし一等賞当たったら、どれぐらいあるの?」
親父「うちの家ぐらいのマンション買える程度かな」
俺「それ結構のお金だな。もし当たったら、俺に教えないで賞金を貰いに行きなさい。衝撃すぎて精神的に狂うかも」
親父「うん、そもそも当たっても教えないつもりだよ」
俺「え?」
親父「例えば、実は昔当たったことがあって、ただお前に教えてないことは、アリかな」
俺「え?ちょっとまって」
親父「だから、なんで普通の社員の俺んちはこんな一等地の良いマンションに住んでいるか、考えたことなかったのかい?」



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