第241期 #1
初めて北京に行ったのは、中学のとき。
北京に住んでいた親戚の叔母さんがいて、叔母さんは僕を洋食屋に連れてくれた。
「たくさん食べてね!」と叔母さんはご馳走してくれた。
美味しかった。たくさん食べた。
実家は田舎寄りなので、洋食屋はなかった。その後、ずっとその店で食べたいと思っていた。
しかし店の名前を覚えていなかった。
大学は日本に留学した。初めて日本に来た日、寮の先輩は、「日本の初めての飯を奢るよ」と言って、店に連れてくれた。
洋食屋だった。注文して食べたら、懐かしい味がした。
あの店だ!
なんと日本にもあるんだ。
「ここは何という店ですか」と先輩に聞いたら、「サイゼリヤだよ」と先輩が答えた。
「サイゼ…リヤ、難しい名前ですね」。「中国にもありますか?」と私が聞いた。
「北京にあるよ。でもこの店は日本の会社だよ」と先輩が言った。
「え?洋食屋なのに?」と私は驚いた。
「そうだよ」先輩が説明してくれた。「吉野家、すき家みたいに、ここはサイゼリ屋だからね!屋ってことは、安くて美味しい店だ。日本で暮らす以上、覚えておいてね!」