第24期 #9

ジンセイ

「ここに奴が来るはずだ」
俺が独り事のように呟いた。

来ない可能性もある・・・。
でもかなりの確率でここに来るだろう。

俺には自信があった。

俺はこれまで奴の行動を分析していた。
年齢は20代前半、頭はいいが少し短気な所がある。
プライドも高い・・・。
あいつの性格ならきっとココに来るはず。
来なかったとしたらたぶん電話を掛けてくる。

数分が経った・・。

もうそろそろ約束の時間になろうとしていた。

『ブー ブー ブー』
その時俺の携帯のバイブが鳴った。

「もしもし」
取った。

・・・"あいつ"からだ。
一言返事をしてから電話を切った。

それからまたここで見張っていた。
なんとなく来ると思った・・・。

一時間後・・・
向こうからあいつが歩いてきた。

やっぱりだ・・・ワザと俺に電話してきたんだ。


ちょうど俺の目の前にあいつが来た。
俺はあいつの正面に立って銃を向けた。
あいつが両手を上げる・・・

・・・と、その瞬間後ろで鈍い音がした。
そして背中に何かが走った。

俺はナイフで刺されていた。


「お前の方が一枚上手だったか」
小刻みに震えた声で俺はそう言うと、そのまま世界が暗くなった・・・。


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