第156期 #19

「やだ氏」

 野田氏と書いて「やだ氏」と読むのだそうである
 競泳の選手だったそうだ。ライバルの守準(まもるじゅん)氏とも競い合いドナドナを歌いながらナンバーツーのやだ氏。
 O足元の高さに冬の蚊が居れば読書を止めてトイレを出づる
 O空中を足が踊れば着地点無くして更に踊る足かな(8月末の想い出)
 O灰色の車が当たりさうになるカローラに乗る私の体(カフェファイヴの帰り。白山交差点にて)
 O沢山の莢(さや)を並べて火を付ける庭の輝き私が作る(昨年度の想い出。小豆の莢。因みに今は2011年11月28日(日))
 O水澄めば滝の飛沫が顔に付き句作いよいよ新境地する(「新境地する」?これは「新境地に入る」ではないか?とやだ氏は思ふ)
 O木の島の木の大合唱に木の葉落ち道の湿りにへばり付きたり
 O沢山のサイトを巡り穴を出す穴を開ければやる気が失せり(「穴を出す」は締切に間に合わず、その月が欠句に成って仕舞う事。ギャンブルの「大穴」では無い。「やる気が失せり」と言っても大袈裟な表現だと思うとはやだ氏の弁。)
 O一吹きでテープを直しドイツ語はメッケル少佐坂の上の雲(今は二階に置いてあるが、嘗て一階に置いてあった、あの買って直ぐCDプレイヤーの部分が壊れたCDラジカセ。土曜日の夜、炬燵の出してある部屋でNHKの「坂の上の雲」の総集編を見て居たのだ。恐らくテープの部位も壊れかかって居て、殆どラジオの部分しか聞けなくなって居たCDラジカセを自らの呼気で埃を払う事で一時的に使えるようにしたとの事だろうとはやだ氏の解説。「テープを直し」は詳しく言うとテープの部位を直しと言う事。カセットテープを挿入する部位を直したと言う事であるとやだ氏は歌意を説明した)
 O突風が吹けば私は対抗し冬空の元炎のランナー
 O冬の日に薄着で家の中走る
 ここ最近ずっとですね、3,4日ぐらい。もうちょっと前からでしょうか。おっとこの句は俳句バトルに投稿して居ましたね、と言う事は本名の「石川順一」でアップされて居ますね。混乱が起きるといけないので、一言断って置きますよとやだ氏は明かされました。
 やだ氏は競泳から業種転換して歌詠みをやって居たかと思ったら、何と俳句も詠んで居たのですね、ライヴァルのまもる氏も刺激を受けて短歌や俳句を始めて頂ければ、私もますますやる気がでんるんじゃがとはやだ氏の弁です。最後にやだ氏の句をいくつか。
 O着ぶくれも・・



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