第151期 #1
僕は君の手のあたたかさと温もりが大好きだった。
高校生になって僕には彼女ができた背が僕よりも小さくて守ってあげたくなる存在だった。毎日帰りは手を繋いで帰った。君の手は…寒くなった冬の季節でも暖かかってんだっけ……でも、今年の春君は事故で死んだ。
「どうしてっ…もっと僕がしっかりしていれば…っ」
声にならない声で動かなくなった君の手を握りしめて泣きじゃくった。もう、あの手のあたたかさと温もりはない…
ふと、君の笑顔を思い出した
『私が死んでも天国からしっかり見てるからね?』
明るいかおでそう言った彼女の顔を。
「見てるんだよな…泣いてたらダメだよな…」
僕は涙をぬぐい冷たくなった彼女にいった
「ありがとな……お前を世界で一番愛してる」
−彼女の顔が微笑んだように見えたのはきっと、気のせいではないだろう−