第142期 #3
知ってる?僕は君で、君は、、、
僕なんだよ?
俺は階堂タクト、中学3年。
今年は受験を控えている大事な年だ。
そんな俺はクラスのなかで中心的存在。
リ「カナトくん?」
俺の友達、リクがまたカナトをいじめてる。
リ「カナトくんコッチ来なよ。」
リクがカナトの服を引っ張る。
カ「っ、」
リクは無理やりカナトを教室から連れ出す。
そして、リクはすぐに1人で戻ってきた。
タ「リク、面白かった?」
リ「あいつ馬鹿だな」
タ「俺も見に行ってくる」
リ「男子トイレにいるぞ」
タ「さんきゅ。」
俺は男子トイレへと向かう。
男子トイレにつくと、びしょびしょでうずくまっているカナトがいた。
タ「いい気味だな、立てるかよ?」
カ「僕は、、で、君は、、なんだ。」
タ「は?」
カナトは小さな声で何かを繰り返し言う。
カ「僕は、、君で、君は、、」
タ「訳わかんねぇよ!」
俺はつい、カナトの襟を掴み無理やり立たせる。
タ「言えよ!」
俺は力任せにカナトを殴った。
カ「うっ」
タ「言えっていってんだろ!」
するとカナトは今度は、はっきりと言った。
カ「僕は君で、君は僕なんだ。」
タ「は?」
カ「そんなに殴りたかったら殴りなよ。タクト。」
タ「っ、このやろっ、」
俺はカナトを殴り続けた。
タ「はぁ、はぁ、、」
冷静になってきて、殴るのをやめる。
が、
カ「、、、」
カナトは動かない。
タ「カナト?」
カ「、、、」
自分が何をしてしまったのか、
頭の中が真っ白になる。
タ「俺じゃないっ、」
俺は逃げた。
そして翌日、
母「タクト、大事な話があるわ。」
タ「なんだ。」
母「実は、貴方に出ていってほしいの。」
タ「は?なんで?」
母「貴方は、病院で取り違えた子」
タ「な?!」
母「本当の子は、今は階堂カナトっていうの。」
タ「カナト、」
母「知ってるの?」
母「とにかく出ていって。」
タ「ちょ、待てよ!」
父「お前は階堂の子供でない。」
父「そんなやつ、家に置いておけるか。」
タ「なんで!」
父「出ていきなさい。」
俺は父に家を追い出された。
そして、俺は今死を迎えようとしていた。
俺は急にこの路地で倒れた。
もうだめだと思った時、頭上から声が聞こえた。
「タクト」
タ「カナト」
もう目を開くこともない。
「だから言ったのに」
意識が遠くなっていく。
「僕は君で、君は僕だって、」
そこで俺の意識は途絶え、深い眠りについた。
そして、俺はその 眠りから覚めることはなかった。