第11期 #1

バンパイアたちの主張

 アメリカ大統領専用機がハイジャックされた。国際会議出席のため、政界や経済界の要人も多く同乗している。
 ハイジャック犯罪史上空前の大事件に国防当局は騒然とした。
「犯行グループの狙いはなんだ?」
「バンパイアの人権、及び生存権の要求です」
「犯人はバンパイアなのか!」
「そうです、彼らは吸血鬼です。吸血鬼の分際で、独立国家の建立を求めているのです。そのための領土を地球上のどこかに許可するよう、全人類に対して要求してきました」
「吸血鬼が独立して国家を作るつもりなのか?」
「不死身の免疫抗体を含んだ血清を輸出し、人工血液を輸入するという形で人間との共存共栄を提案しているのです」
「ううむ、理にかなっているな」
「ですが、すべてのマイノリティに人権や自由を大判振る舞いするわけにはいきません。容赦ない対応で臨みましょう」
「当然だ。だが血清だけはいただきたいな」
「長官、とりあえず、飛行機の燃料があとわずかになっています。バンパイアたちは給油のための着陸空港を指示するように言ってきています」
「わかった」
「各国のテロ対策特殊部隊の協力を要請して、着陸空港に待機させましょう。すでにSEAL、デルタフォースが作戦行動に移っています」
「いや、そこまでする必要はないだろう」
「……?」

 数時間後、空港に降り立ったバンパイアたちはたちまち衰弱し、当局にあっさりと逮捕されてしまった。
 着陸場所はソウル空港。さすがにキムチの国だ。外へ出ると、ニンニクの臭いが充満している。


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