第109期 #1

焚火を囲んで

深夜コンビニで、20代後半のベージュスーツが似合う美人な女性と30代くらいの渋めの金持ちそうな男がなぞなぞの話をしていた。

「かけてはいいけど、割っては駄目なものは?」という問いの話だった。
女性は「眼鏡」と言い、男性は「数字の0」と言っていた。
両方ともあってるような。

多分、昔、女性はアルバイトで眼鏡屋の看板娘で、男性は優秀な学生だったのかな〜と思いつつ、答えが知りたく立ち読みをしていた。
やがてお互い口論になってしまい、答えがわからないまま時間が過ぎた。話をもっと聞きたかったが、僕はお腹が痛くなりトイレのため自宅に戻った。

トイレで『昔から所々で部族が焚き火を囲んで冒険談を話してきた、それが映画や本のストーリーに発展した』と本に書いてあった。
小説を書き始める出来事としては良い物語だと思い書き始めてみた。



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