第101期 #5
そこは双子みたいな景色です。ふたつの目は重なりません。 は、しかし孕んだり孕ませたりして遊びました。性別なんてありません。丸くて四本の腕があり、細くて立てない足が四つあり、包めない髪がいくつか存在しています。坂を転がって果ての無い下り坂を滑って空を飛べるようにまでなりました。ふわふわしながら夢になりました。幼くして死んだ女の子の話が大好きでした。
たくさんの排泄物は人を綺麗にしていきます。どんどん。取り分け雪は重宝されました。空から降っているものだと誰かが言っていたようで皆が信じました。足と天井の間は遠く、顔と目は混ざった上で離れたところにありました。みんな涙を流したあとの瞬きで抜けた睫毛だとは知らないのです。涙はともだちが食べてくれて、おいしいと言ってくれたから、胸がとくとくん鳴りました。
ともだちは進むのが早いから、あっという間に遠く届かなくなりました。追い掛けることが出来ず、ぐるぐる廻ってた。涙を食べてくれるものと離れ離れになって垂れ流しの全てを美しくしてる間はありませんでした。そんなとき自分の体にひとりの人間ができました。森や花、鳥、土が生まれていたのに、また新しいのが完成しました。なんだか涙がたっくさん出ました。ともだちがいなくなった自分と、ひとりの赤子はともだちになれないか、考えました。考えましたが、赤子は震えるばかりでした。
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こんな絵本をつくった私は、どうして地球と手が繋げないのかわかりません。雪を掴んでいられないかわかりません。音楽が無いとこで泣くことができません。裸で走り回ることは家でしかできません。
ほんとうは地球の眼球のもとへ走ってキスしたいの。きっとともだちにだってする。ううん、恋人にしたいの。すきなの。それで、立てない足のとこに落ちたら抱きしめてあげる。細いから私の腕が二周しちゃうかも、ふふ。涙が出そうになったらバケツを用意して一滴足らずに空に飛ばすの。涙なんか飛んでけー!って。