第95期決勝時の、#22国語便覧(エム✝ありす)への投票です(6票)。
国語便覧は予選でも推したし、3作品でいちばん面白いと思いました。
オズワルドは、謙虚というのが「私」からの評価でしかないところが物足りない気がしました。
灯りの下は何だかよく分かりません。
参照用リンク: #date20100908-233821
『灯りの下』はつまらなかった。
「出版社まで出向いてはじめて雑誌発表が誤りであったことを知らされる」というおよそ現実ではありえないような出来事が前提となっているため、読者はまず「ああこれはそういう物語なのね」と話の筋を飲むところから始めなければならないのだが、そういった明らかに嘘のエピソードを受け入れさせるための仕組みに乏しい。
ありえない舞台設定のうえで薄っぺらな描写の人物が挙動する、という、小説の枠組みしかないような作品だった。
『国語便覧』はおもしろかった。
こちらも、もちろん嘘の物語であるが、嘘をふくらませるための仕組みが至るところに仕掛けられていて、たのしめた。
参照用リンク: #date20100907-232622
他の二作は几帳面に真面目書かれてはいるが、このくらい野蛮さがほしい。野蛮であるためにどれほどの周到さが必要であることか。(でんでん)
参照用リンク: #date20100905-061439
普段どんな風に会話をしているか考えてみると、ああ、とか、うん、とか、ええ、とかのようなことばかり言っていて、それじゃあちょっと座りが悪いってんで「なるほど」って言葉をやたらと書いてしまう癖が私にはあるんですが、この作品は「なるほど」の使い方がいい感じだったので、今後は五百文字に一度くらいに留めようと思いました。
参照用リンク: #date20100904-224609
正直に言うとあまり好きにはなれない作品なのだが、話をずらしてずらしてずらしまくるのがうまいなあと感心する。物語を駆動させる熱をひしひしと感じるのに、そのすぐそばで逐一冷却処理される。読み終わったあと、損した気分にも徳した気分にもならない。
まあ確かに、あとに何も残さないというのは親切なことかもしれないが。
参照用リンク: #date20100902-104524