第95期決勝時の「なし」票です(1票)。
『オズワルド』
うまくまとめてはいるのですが、途中でくどくどと語り過ぎにも思えました。それによりショートショートめいた印象になっていたのが私にとってはマイナスでした。ショートショートなのが悪いという意味ではなく、(ショートショートとして)うまくオチをつけたという締め方でもないので、好みの問題なのかもしれませんが、もっと謎めかしたほうがよかったのではないだろうかと思いました。
『灯りの下』
受賞したことを本人が雑誌で知る、受賞記事が雑誌に載ってから報道者がやってくる、それが(テレビの?)ニュースになる、ミスによって取り違えられた男二人が偶然同じ道端で同じ雑誌を拾う、その雑誌は相手によって温度を変えることができる、など、作者の(話の展開の)都合による運命や偶然や非現実的な出来事が多過ぎるのではないかと思いました。そうした部分を許容できるような世界観等があるわけでもないようですし。
『国語便覧』
オチのない話だろうと思って読み進めていたらオチがあって驚きました。面白くはあったのですが、ただこの話にそれほどは惹かれず、どうしてだろうと考えたところ、内容がアメリカンジョークの延長に思えたからだろうかと。うまいなとは思うのですが。
私としてはどれももう一つだったので投票としては「なし」ですが、あえて順位をつけるなら『国語便覧』『オズワルド』『灯りの下』の順です。
参照用リンク: #date20100907-223959