第75期決勝時の、#16世界の死(euReka)への投票です(2票)。
初読時は読み飛ばしていましたが、決勝に残り再読してみると結構おもしろかったです。読み手によっていろいろな読みができる作品だと感じました。胡蝶の夢現代版のようでもあり、ネット社会への警句のようにも思いました。
参照用リンク: #date20090106-205721
予選で二票を投じ、その二作品がそろって決勝に進み、我がことのようにほっとしております。しかし、どちらへ決勝票を投じれば良いのか、とても悩まされました。
総合的に評価すれば「背中」です。しかし売れるのはこちら「世界の死」だろうと思います。方向性は違えど、どちらも好みの作品で、非常に迷いました。悩んだ末、詩的なモチーフに惹かれ、僅差で「世界の死」に軍配です。
不思議系な物語のなかへ織り込まれた、作者様の死へ対する概念に興味をいだかされました。
眠りと死、そして夢。ふたつの状態を分かつ境界線はどこまでも曖昧で。両者の中間地点である意識の薄濁。人生で言えば老化や呆けさえもやさしく受容している。それらの裏側に“夢を見る”を持ってくる。しかも当事者でない機械に“夢を見る”を託している。……色々と深読みさせられました。
これらを千文字のなかへ魅力的に組み込んだ作者様に敬意を表したいと思います。
参照用リンク: #date20090103-183755