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2008年10月4日 23時24分9秒

 読んで面白いと思えるものがなかった、というのは単に、僕の価値観に照らし合わせての話だから、たとえばサカヅキイヅミさんの『丘』は普遍性もあって高評価を受けるだろうなと思う。優勝作品はこれがいい。自分はこの作者のような巧さを持ち合わせていないから非常に羨ましくもある。但し、小説とは何か、文章をもって表現するとは何かと考えたときに、構成や文体の巧さといったものが必ずしも重要事項ではなく、自分の裡から涌き出る言葉をできるかぎり正確な綴りで書き表したもののほうが、より本質に近いのではないかと考える。「小説を小説足らしめるのに必ずしも物語は必要でない」。短編というサイトは創作小説を競い合わせるところだが、創作とは何かと考えたとき、それは存在しない全くの嘘を作り上げることではなくて、ある程度は自分の裡に存在するモヤモヤした思念から吐き出される言葉ではないのかなと思う。とは言ってみたものの作者全員にそれを強要するわけにもいかない。嘘を上手く書ける人は、書いていればいいと思うし、時には面白いものがあるかもしれない。本当に読みたいものは自分で書けばいいだけのことだ。

参照用リンク: #date20081004-232409


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