第48期決勝時の、#11エスパーモノローグ(笹帽子)への投票です(2票)。
あらのさんは私の中ではもう格がちがうので、新人と言っていい三人の中からどれにするかと考えてみる。――私の勝手な投票基準では、特に決勝では新人優先にしていて、それを覆すほどの作品ではなかったとは言えるかも知れないが、今さらあえて語る必要はない。
『愉快なメタルフレーム』は、発想はとても面白く、楽しく書けていた。ただ誰かも云っていたように、最後の一文がどうも余計だと思った。せっかく別乾坤を作っていたのに、いささか性急に着地させてしまった感がある。
『ハーフムーンスライディングアタック』は、文章の疾走感が快く読めた。前後のいきさつを説明するのを犠牲にして、一瞬の感覚に懸けたと言ってよく、それは成功していると思う。しかし現実に四五階からの飛び降り自殺に当たったら大変なことだろう。劇画風な処理がちょっと私には馴染めなかった。
結局予選でも推した『エスパーモノローグ』に再び入れることにする。感想はその時書いたとおりだが、一つの発想を極限化した結果、ふしぎな面白さが出ていると思う。(海)
参照用リンク: #date20060822-113415
決勝投票には、勝ち残った作品の中から好きなものを。
単なる空想を超えた、不条理とは如何にあるべきかの研究のようであり、考えさせてくれるものがあると思いました。
この手の作品は一度目の読み方次第で印象が違ってきてしまうものですが、登場人物と一緒に悩んでみる読み方を一度は試みることをお勧めします。(黒田皐月)
参照用リンク: #date20060815-042912