第241期予選時の「なし」票です(1票)。
#1 あの店
先輩のジョークで話のオチがついている。オチよりもサイゼリヤが中国に展開していることの方が印象に残った。
#2 ヒトになる
気持ち悪さもあるが、ヒトの境界を扱っているところで妙な説得力があり、印象に残った。
#3 ちいさな愛の物語
前半と後半で印象を変える仕掛けがあるが、その仕掛けを作ることが作品の目的になっている。
#4 君に、胸キュン
「彼女」伊藤桃花さんの魅力(?)を書けているし、こういう関係性もあるだろう。デレが早いのも、胸キュン→デート落ちにするのも、ちょっと不満。あとキャラ設定で漫画の『悪の華』がちらついてしまう。
#5 畏怖太郎
桃太郎や浦島太郎のくだりが必要かどうか。瀬戸内の小島みたいな舞台はいい感じがしたが、ゲーム風の死に戻りが面白いかどうか。嫁の強そうなキャラクターは良さそうな気がしたが、嫁が死ぬたびに巻き戻して嫁との時間を喜んでいる畏怖太郎。畏怖太郎が恐れるのは妻との死別、それが面白いか、わからない…。
#6 蝦夷小車
この書き手は山について書くと山感がすごくあるが、それに比べるとこの海ものは海感が少ない。この女性を蝦夷小車の花に重ねるのは大変感心します。ちょうどいいと思う。
#7 Buying God Buys
この神は虚しい。神が購入したものが廃棄される描写は薄寒い。祈りだけが消費され、祈りは尽きることがない。このフレーズはかっこいいし奥行きがある気がする。大量生産・大量消費の拡大を祈る私たちの資本主義のことを書いているのかな。アルファベット千字だと日本語千字より情報量が少ない。英語で書く意味は、キリスト教と資本主義の摩擦を睨んでたり、異国語で物語を書く書き手の存在に影響されていたりするのだろうか?それとも音の響きのため?
#8 外野
帰る方向が違うから一緒に帰らない高校生カップル。一緒に帰らないことに気を揉む友人たち、いいじゃないですか。でもその友人たちが実は好き合っててのちのち結婚したとかはどうでもいい。
参照用リンク: #date20221015-165156